月を染める物語〜ラズベリームーン、ラベンダームーン、ブルームーン〜

神の補佐役であるガイルは神の、久しく月が染まるのを見ていない、という閃きより地上に降り立った。月を染める存在を補佐するために。

諦め、哀しみ、愛を受け取れない不器用な詩人と愛を差し出したいのにうまく立ち回れない医師。2人を繋ぐ死期の近い老いた犬。情熱の色はラズベリームーン。人生で愛すのは一度きりでいい。

伝説的なフィギュアスケーターの彼女を永く見守りいつしか愛していた幼馴染の優しい青年、
非凡な人生を駆ける彼女と静かに留まる彼との愛の行方。慈しみを奏でる愛はラベンダームーンに染まる。


妻を亡くし死をも考えるほどの悲しみを隠しながらもラジオのパーソナリティとして日々笑いを与える男。張り裂けそうな悲しみに蒼い月夜、蝶に姿を変え現れた妻。男と女という、性別の元、人間と人間であり、ただの人で…続きを読む