主人公は魔界を追放されてしまった魔王「エ口サイ卜」。まずは、この名前がギャグです。でも「えろさいと」と読むのではありません。精巧な仕掛けがあります。
そんな彼が最新鋭美少女系アンドロイド型メイド式人工知能siriとともに、日本の東京に来てしまった。
日本や人間を滅ぼしに来たわけではないので、安心ですが、たぶん本気出せば滅ぼせちゃうぐらいの力は持っています。なんせ魔王ですから。それに、ギャグも使えるし。
この設定からも予想できるとおり、ギャグです。それも森羅万象ギャグにつながる面白さ。魔王エ口サイ卜がsiriとともに、どんな騒動を巻き起こしていくのか、追跡価値ありです。
【プロローグから15話目まで読んでのレビューです。】
序盤から
「ブレーキどこ?」
「そこに無いなら無いですね」
な、ツッコミ不在なボケ倒しギャグが怒涛の勢いで津波のように襲って来ます。
とにかくギャグの言い回しから、単語の組み合わせまで、日本語のはずなのに「私こんなの知らねぇ」と思えるセンスは抜群です。
小難しい事はいらねぇ、とばかりに頭空っぽにしながら笑い倒せる明るいギャグ物語に脱帽です。
※最新話まで読んで追記※
話が進むにつれて、徐々にレギュラーキャラが増えて来ます。
比較的に(多分きっと)常識度はあるのですが、揃いも揃って一癖も二癖もあるキャラ達ばかりなので、結果的に掛け合いの相乗効果がギャグの次元を更に高めていきます。
その一方で、ただふざけ倒しているだけではなく、根底にはちゃんとした設定が用意してあったり、キャラ同士の培った信頼や友情の絆、ほんのり香るラブコメの波動などもしっかり描かれており、バトルパートもギャグの皮を被りながらも真剣に練られてます。
それでいて、お気楽なノリで最後まで一気読みが苦痛でもありませんでした。
総じて、かなりレベルが高い作品だったと思います。
魔界を追放された魔王――その名もエグチ・サイホク。
その忠実なる右腕は、美少女風アンドロイドにして、生物学上「ダニ」のsiri・滅裂。
舞台は渋谷。第一話から「水着回」を望む魔王に、冷静沈着どころか、冷徹無機質にボケを返すAI。
シャア専用車両に飛び乗り、女性専用車両で白い目を浴び、季節外れの海では全裸回に突入。
火属性、水属性、妹属性――
飛び交うのは魔法でも銃弾でもない、「属性論争」と「謎理論」。
だが彼らは問う。
「ミニスカサンタは、眷属かガチ勢か」
「水着回と神回と温泉回は、何が違うのか」
カオスと理不尽が交錯する街で、
魔王とアンドロイドは今日も全力で「無目的」を突き進む。
全編フルスロットル。
ボケ、ツッコミ、豆腐、妹。
混沌を愉しめる者だけが、この世界の覇者になれる?