第8話 初恋と依頼

 その日部活まで花宮と一緒に行った。


「おい、琥御山、あのさ、花宮の近くにいると胸が締め付けられたり、苦しくなったりするんだけど、なんでだ?」と花宮の聞こえないくらい小さな声で言った。


「それは花宮さんに恋をしてるってこと、悠希は花宮さんのことが好きなの」と小声で言ってきた。


「え?えぇぇぇぇぇぇ」と思わず、大きな声を出してしまい、花宮がこっちを見てきた。

あ、ごめん、花宮」と言い謝った。


「うん、大丈夫」と言いながら首を縦に振った。


「俺があいつのこと好きだって?なんか、実感ないなぁ。よくわかんないや」と首をかしげながら小さい声で言った。


「そう、あなたは、花宮さんが好きなの。そしてそれが恋なの、わかった?私はあんたが好きなんだけど」と小さい声で起こり気味で言った。


「ん?最後なんて言ったんだ?」と不思議そうに聞いた。


「え?いや、べ、別に、なにもいってないから、何言ってんの?ほんとに何も言ってないし」と少し大きめで、慌てながら言った。


「そうか、それなら、いいんだ。それにしても、これが恋かぁ、こんな感じなんだなぁ。ありがとな、教えてくれて」とちょっと照れながら言った。


「え?別にいいよ。お礼なんていらないから」


「あ、そうか、わかった。てか、さっきからなんで怒ってんだ?」


「いや、べ、別に怒ってないし、逆になにに対して怒るの?怒る要素ないじゃん」


「わーったわーった、俺が悪かったよ」とめんどくさそうに謝り


「ったく」と言いながら、いつも座る席に座り、本を読み始めた。


しかし、悠希は全く集中できず、本を読むのに苦戦していた。


 すると、「コンコン」と音がした。


「はーい、どうぞー」と言うと、扉が開いた。


「失礼します」と言って教室に入ってきた。


「夏彦お前かよ」と残念そうに言った。


「うん、ちょっと相談事があってきたんだけど、あ、俺のことじゃないんだ、友達のことで」


「あ、そーか、じゃあ、適当に座ってくれ」そう言って、夏彦は席に座った。


「で、相談ってなんなんだ?」


「その、友達が告白するんだけど、それを止めたいんだ。ただ、手伝うと言ったから止められないんだ」


「別に、やっぱ、やめた方がいいっていうだけだろ、何をそんなに悩んでんだ?」


「君は、友達が出来たことがないから、そう言えるんだ」


「あ?何言ってんだ?誰がどう考えたって、この答えだわ、アホか、止めたら仲が悪くなるのか?仲が悪くなるなら、もともとそれまでの関係ってことだろ、止めて、さっさと、友達をなくせ」


「君にはわからないだろうな。仲いいままかどうかは、わからない。ただ、俺はそう簡単に友達はなくならないよ」


「何がわかってないんだ?わかってないのはお前だろ、止めたいなら止めろよ。そんな簡単なことも出来ないのか、友達なのに。友達なら本当のこと言えよ。本当のことを言うのも友達だろ。こんな相談受け付けないから、さっさと帰れ」と強く言って帰らせようとした。


「今日の休み時間。君に手伝ってくれと言ったら、君はオッケーしてくれたよな?」


「いや、あれは、あれで、これは、これだ」


「なにそれ、理由になってないし、うける」と茉莉が笑いながら言った。


「いや、笑うなよ。あぁ、そーだな、理由になってないな。ったく、わーったよ、引き受けるよ」と言い嫌々引き受けた。


 これが悠希と花宮にとって初の依頼だった。

ただ、この依頼を受けることにより、悠希の人間関係がめちゃくちゃになると、この時は、知る由もなかった。

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