第6話 意識
副会長である琥御山が俺たちに対して、違和感を覚えたのか俺たち二人を見て、何かを考えている。
そして
「花宮さんと悠希ってなんかあったの?」と言った。
もちろん無かったわけでは無い、かと言ってあったと言うと後々めんどくさそうなので
「え?いや、なんもないよ」と答えておいた。
「まぁ、何かがあったって知ってるんだけどね」
その発言に驚いてしまい、思わず席を立ち
「は?いや、なんで知ってんだよ」と大きな声で言ってしまった。
すると笑いをこらえながら
「クッ、ハハッ、う、うそ、嘘だから、ハハッハッハあぁぁぁーうける、で、何があったの?」と笑いながら言った。
俺はこいつに一杯食わされたのだろう。俺は一度花宮の方をみてから
「いや、は?なにそれ、俺騙されたのかよ、でも、そんな笑わなくてもいいだろ。いや絶対言わねぇよ」と言った。
琥御山は流石にもう笑ってはいなかった。
「いいから、早くいって」
「だから、言わねぇよ」の、やり取りが後五回ほど続き、琥御山が口を開こうとしたとき、花宮が
「琥御山さん」と言った。
俺たちのやり取りを遮り、あまりに急だったため、思わず琥御山が
「ん?うん?」と返事をした。
そして花宮は
「昨日、悠希くんと一緒に帰ったんだけど、それを見た人がいたらしくて、それをここに来る途中に聞いたから、恥ずかしくなって何も話せなくなったってだけだから」といつもより大きな声を出し、途中早口になりながらもそう言った。
琥御山は
「あ、昨日一緒に帰ったんだ。へぇーあ、そうなんだ」となぜか声のトーンを小さくして言った。
その顔は、どこか悲しそうだった。ただ、すぐに茉莉は無理に笑顔をつくって花宮と会話をしていた。
そして、俺は今日も花宮と一緒に帰ったが、花宮がいつもより静かで暗かった。そのことに違和感があったので理由を聞こうか悩んだが、聞くと空気が重くなると思って、言うのをやめた。
花宮といると胸が苦しくドキドキしてうまく話せなかったり、体が熱くなったり、花宮を自然と目で追ってたりする。これは一体なんなんだろうか。
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