第5話 女子と二人で帰るとリア充扱いされる

 朝、学校に着き、「ふぁーっ」とあくびをしながら教室に入ると、クラスの大半が俺の方をじろじろと見ている。


 なんだろと気にはなったが、あまり深く考えず自分の席に向かったとき、リア充グループの中心人物と言ってもいい人が


「おい、悠希」と急に俺の名前を呼んだ。


流石に急だったため驚いたのだが、驚きを隠しながら


「ん?なに?」と優しく返事をした。


すると、さっきの人があたりをキョロキョロしてから


「昨日、花宮さんと一緒に帰ったんだって?」と言った。


俺は、花宮がいないこと確認して


「ん?あぁー、帰ったよ、てか、なんで知ってんの?」とこちらから質問した。


さっきのキョロキョロしてたのは、花宮さんがいないことを確認していたのだと思われる。

少し間が開いてから


「部活帰りに目撃したんだよ。え?なにお前ら付き合ってんの?」と言った。


なんだその発言小学生か?とは言えないので


「いや付き合ってないよ。なに、杉嶺すぎみねは、花宮のことすきなの?」と聞いてみた。


「付き合ってないのか、そっか、なるほど」と言い、安心した顔をして、後ろにいる、リア充グループの奴らを見る。


そして、俺の方を見ながら


「いや、好きじゃないよ」と答えた。


俺は、一つ引っかかることができた。これは俺の勘だったが、それが今確信に変わった。なぜなら、リア充グループの男子が喜んでいるのだ。これは、聞いてはいけないのかもしれないが、聞きたかったので聞いてみることにした。


「藤原ふじわらか内田うちだのどっちかが花宮のこと好きなのか?」と杉嶺だけに小声で聞いた。


すると、図星だったのか身体をピクリとさせ、杉嶺は小声で


「あ、あぁ、そーだよ、まぁどっちとは言わないけどな。だが、このことは誰にも言うなよ」と言い


「はーい、わかってるよ。言わねぇよ」と俺が、小声で言った。


すると花宮が教室に入ってきたので、先ほどしていた会話は勝手に終わった。そして、先ほど俺にしたようにクラスの大半が花宮をじろじろ見る。俺は、それを無視して席に着いた。


席について思ったことだが、さっき杉嶺に「誰にも言うなよ」と言われ「言わねぇよ」と言ったが、よくよく考えると言う相手がいなかった。


授業が終わり、放課後になった。コミュ部の部室まで花宮と二人で向かってるとき、花宮が


「あの、今日の朝さ、なんか、みんなに見られてたんだけど、なんでだろ」


「あぁ、あれな、昨日俺たちが一緒に帰ってたのを、見てたやつがいるんだと思うよ。俺も、みんなに見られてたし」


「そっか、そーなんだ」と花宮が恥ずかしそうに言った。


俺は見ていたやつを知っている。ただこのことを言うと、杉嶺と話したことなど全部言わないといけない気がして言えなかった。


その後俺たち二人は、何もしゃべらず沈黙のまま部室に着き、それぞれの席に座った。

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