第4話 副会長

 花宮と二人で、コミュ部が活動しているらしい教室へ着く。この教室は、もう誰にも使われていない。というより、旧館の三階自体使われていないのだ。


 コンコンと扉をノックすると、教室の中から「はい、どーぞ」と声が聞こえたので、扉を開けて教室に入った。


 教室の中には、髪は短め 茶髪。150㎝ほどの、ロリ顔で普通に可愛い。そう、副会長だ。美少女だが、俺はこいつが大嫌いだ。


「え?悠希?は?いや、なんでいんの?意味わかんない」


「いや、先生に聞いてなったのかよ。それとお前が創部者ってなんでだよ」


「聞いてないし。この部の名前の通り、コミュ障だからです」


「なるほど、意外だな、それで、この部って基本的に何やってんだ?」


「相談に乗ったり、コミュ障改善のために頑張ったりかな、ところでそちらの方は?」と花宮の方に手を向けて言った。


「この人は俺と同じ学級委員長をしてる花宮美羽」


「初めまして、花宮美羽です。よろしくお願いします」と言い、頭を下げる。


「私は、副会長をしている琥御山 茉莉 《こみやま まり》よろしく」


「で、俺たちはこれから、どうすればいいんだ?」


「人が来るまで、ひたすらここで待つ」


「それって、何もせずに終わることもあるってことだよな?」


「えぇ、まぁそう言うことになるね」


「なるほど、了解」そう言って俺は一番後ろの外側の席に向かって歩き、座った。


 花宮は俺の一つ前の席に座り、鞄から本を取り出し読み始めた。琥御山は俺の列の一番前に座り、スマホをいじっている。


 俺たちが待ってから45分程待ったが人は来ない。時刻でいうと五時半を回ったところだ。来ないまったく来ない。それから、一時間ほど待ち時刻でいうと6時30分程になって、琥御山が


「今日は、人が来ないみたいだから、帰ろう」と言った。


「あぁ、そうだな」と俺はそう言ってみんな席を立ち、教室を出た。


 これが基本こんな感じで続くのは、だいぶやばいなぁ。コミュ障改善する部活なのに、俺たちは何もしなくていいのか?と、いろいろ考えていると、隣を歩いてた花宮が


「悠希くん、一緒に帰ろう」と急に言い出したので、びっくりしたのだが、平静を装って


「そうだな、一緒に帰るか」そう言って二人で帰った。

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