第3話 入部
彼女は、自分の想像した何十倍、いや、それ以上にいい人だった。
あんなに優しくて、かわいい人だとは、思っていなかった。ましてや、あんなに話せるなんて思っていなかった、これは予想外だった。人は見た目で判断してはいけないっていうけど、それは本当かもしれない。
生徒総会の準備も今日で最後となった、そこで今日はLHR【ロングホームルーム】の授業中にクラスで生徒総会のことについて話したのだが、何と言っても俺たちは、コミュ障で人見知りだ。なので話し合いもうまくいかずに終了した。先生も呆れたような顔をしたことが何度かあったが、別に怒られることや注意されることは無かった。すると授業中に先生が小声で俺たちに
「放課後職員室に来るように」と言ってきた。なんだか、怒られそうですごく怖い。
放課後怒られるのでは、と緊張と不安の中職員室へ向かった
職員室に着き、先生を見つけて入り、先生んの所へ着くとすぐに
「君たち、コミュ障を改善したいとは思わないか?」と言ってきた。
別に俺は、コミュ障が改善されるなら改善したい。だが、現実的に考えて、それは可能なのだろうか、答えは否である
「改善できるものなら改善したいですよ。ただ現実に無理かなと、でそれがどうかしたんですか?」
「いや、この学校にはな、それを改善する部活があるんだよ。だから入れ、これ強制な。今後クラスなどで、話し合いがあったときに今回みたいなことになってほしくないしな」
「「え?」」と花宮と俺の声が重なった。
「ん?なんだよ。二人とも声をそろえて、どーしたんだ?」
「いや、強制って、言うから」
「は?当たり前だろ、あんな話合い、今まで見たことがないくらい最悪だぞ。君たちの連携、会話、声の大きさ、すべてがダメ、しかもグダグダ、やる気あったのか?」とめちゃくちゃ熱弁してきた。
「そうでしたね。わかりました、あれは恥ずかしすぎたので、今後は無くしたいと思うので、入ります」と適当なことを言った。
本当は入りたくもないのだ、ただ先生の話は始まるとおわらないのですごくめんどくさい。だから入ることにした。花宮もそう思ったのか、入ることにしていた。
ほかにだれが部活にいるのか気になった俺は
「で、誰がいるんですか?」と聞いた。
「確か二年の生徒会の副会長がいたような気がするなぁ」
「え?ふ、副会長?は?いやいや、なんでですか?なんであいつがいるんですか?意味が分かりません」
「なんでって言われてもなぁ、副会長がこの部を創ったんだから、この部にいるのは当たり前のことだろ。てか、悠希は、副会長と知り合いみたいだが、なにかあったのか?」
「そうですか、あいつが、創部者なんですね、いや、別に特に何もないですよ。昔の知り合いってだけです。気にしないでください」
「そうか、それじゃあ明日の放課後に、旧館の三階にある一番西側の教室にいってくれ。二人ともよろしく頼むぞ」
「はい、いきますよ」と自分の言葉に続き
「わかりました」と花宮が返事をした。
その後、俺は、落ち込んだまま帰った。ほんと、断っておけばよかったよ
そして今日は、ついに生徒総会、とくに自分たちが何かをしたと言うのは無い。一度も当てられず終わった。発言がしたかったわけではないが、当てられないとなると、自分の影が薄いのではとすごく落ち込み、このことがいいのか悪いのか、よくわからない複雑な気持ちになる。
そして放課後先生に行くように言われた、あの副会長がいる、旧館の三階にある一番西側の教室へ、コミュ部に入部したため俺と花宮と二人で向かった。
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