第7話 相談
「あのさ、ちょっといいかな?」と休み時間に夏彦が俺に話しかけてきた。
「ん?なんだよ」
「いや、あの、その、実は内田が花宮さんに告白するらしいんだ、手を貸してくれないかな?」
「なんでだ?学級委員だからか?部活が同じだからか?一緒に帰ったことがあるからか?」
「違う、君たちが仲いいからだ、頼む」と頭を下げて言った。
「それって、俺を利用してるよな?お前らのグループでがんばれば?」
「そうか、君はもっといい奴と思ってたよ」
「はぁ?ばかか、そーじゃないからボッチなんだよ。それにその言葉はこっちのセリフだよ。まさかお前が人を利用するような奴とは思わなかったよ」
「もともと、俺は、君が思うようないい奴じゃない」
「は?なに、言ってんだよ。人望あって人気者で性格いいのに、いい奴じゃない?は?ふざけんなよ」
「ふざけては無い。事実だ、頼む、友達なんだ、あいつらは、だから頼む」と言い、再び頭を下げた。
周りからすると、俺はこいつに頭を下げさせた、みたいになってたので、しかたなく了承することにした。
「そーか、友達か」とぼそっと言った。
それがこいつに聞こえてたかどうかはわからない。
「見返りはあるか?ふられても、もちろんあるよな?」
「もちろん、ある」
「そーか、わかったよ、で俺は何をすればいいんだ?」
「内田のいいところをさりげなく言ったり」
内田、下の名前は暢志のぶゆきそしてサッカー部のレギュラーで次期エース
「はぁ?あいつのいいところ?んなもの、どこにあんだ?」
事実俺は、あいつのいいところなんてないと思ってる。
「サッカーがうまい、明るい、運動神経がいいとかさ」
「じゃあ、適当にそんな感じのこと言っておくわ。で、いつ告るつもりなんだ?」
「それは、まだ俺にもわからない。わかったら言うよ」
「うん、わかった」
告白すると聞いたとき、すごい胸が締め付けられ苦しくなったのは、なんなんだろう。そして、とられたくないとも思った。これが恋なのか?今日部活の時に茉莉に聞いてみるか。
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