ドライブ
その後、わたしは、おとうさんと車に乗りました。
「今日は、おかあさんは、おるすばんなのね。どこにお出かけするのかな」と、わたしは、思いました。
車の窓から、外を見ていると、いつも行く犬の美容院や公園、ちょっと苦手な動物病院へ行く道とはちがって、知らない景色ばかりが過ぎていきました。
ずいぶん、長く、わたしは、知らない景色の中を、おとうさんとドライブしました。
車が止まったのは、山の中でした。
わたしは、車から、おろされました。
ここで、おとうさんといっしょに、遊ぶのだと思いました。
でも、おとうさんは降りてはこず、車のドアがバタンと閉まりました。
それから、エンジンがかかり、車は走り去って行きました。
わたしは、びっくりして、車を追って、いっしょうけんめい走りました。
でも、車は止まりもせず、どんどん道の向こうに小さくなっていきました。
わたしは反対からやってきた車にはねられそうになり、びっくりして道路のわきの草むらに飛び込みました。
その間に、おとうさんの車は、見えなくなってしまいました。
わたしは、わたしに何が起こったのか、わかりませんでした。
「きっと、おとうさんは、急な用事を思い出したんだ。お仕事かもしれない……」
わたしは、そう思うことにしました。おとうさんには、そんなことも、よくありましたから。
わたしは、車からおりた所にもどって、おとうさんを待つことにしました。おとうさんが用事をすませて、また、戻ってきた時、わたしがどこかに行っていたら心配するだろうと思ったからです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます