恐るべき終末の群像劇

突然訪れたその異変は、語り手によって少しずつ姿を変える。
日常を阻害される者、興味を示さない者、避けられない死の運命を前に凍りつく者──語り手たちの反応は様々であるにも関わらず、凄まじい異常が迫ってきていることが読み手に容赦なく突きつけられる。

数話で世界観に引き込まれる構成の妙が素晴らしいです。
基本的に1話で語り手が切り替わるため、事態を打開出来そうな主役の姿が見えないまま、別のエピソードで以前の語り手がさりげなく死んでいたりするのが不気味さに拍車をかけてきます。
どのような結末を迎えるのか、恐ろしくも楽しみです。

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