伝染するのは病か悪魔か、それとも神の意志なのか。

010話目までを読んでのレビューとなります。

唐突に訪れる死の咳が蔓延していく未来の日本。原因不明のそれは、恐ろしい速さで感染を続けていく。
先の見えない恐怖と戦うのか、ただ諦めて死を受け入れるのか。
その一方で怪しい何かが蠢き、明らかな破壊を行なっていく。
世紀末へのカウントダウンはもう始まっているのだろうか。

010話目で2028年7月21日は終わるのだが、ここまでがたった1日の事とは思えない事にまず驚く。
群像劇というのはテンポが悪くなりがちだが、それを巧みに利用すれば恐怖を増幅させて不安を煽ったり、1日を濃密に描き出す事が可能だというのを
、この作品は教えてくれる。

現在の展開としては、謎の何かの存在と謎の咳という二つの軸をメインに置いて、その二つの関連性を探っていくという形だろう。
その鍵を握るのはデネッタ・アロックなのだろうが、彼女はまだ動きを見せない。
これからの展開次第では作品のジャンルすら変わってきそうな予感がする。

兎にも角にも、まだ現状では開けてみるまで何が起こるか分からない、まさにパンドラの箱状態の作品。
これからに期待。

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