丁寧な描写が、パンデミックとネットゲームのリンクを"拡散"させる

パニック作品で欠かせないのは臨場感やリアリティであり、文章だけで「いまなにが起きているのか」を伝えるのはそう簡単なことではない。
さらに、それが“現実には繋がりがないもの”を含んでいた場合には、書き手にとっての難易度はさらに高まる。

頭部の爆発した遺体、広がっていく咳、患者の口から出てくる砂粒のようななにか、空港の閉鎖、パンデミック、ネットゲーム…

この作品では、不穏なキーワードが、丁寧に書きこまれた膨大なキャラクターたちの描写や近未来の日本の状況を通じて、じわじわと読者の心にもいやな“根”を張っていく。

そして次のエピソードでなにが起こるのか、何が起きているのかを確かめずにはいられなくなるのだ。

序盤だけでもう面白い。
ぼくはもう"感染"しました。




その他のおすすめレビュー

東京ニトロさんの他のおすすめレビュー5