何か恐ろしい事が起こっている――でもそれが何なのか分からない恐怖

パニックモノ数本は書けそうな濃ゆい恐怖体験を惜しみなく(否、良い意味でもったいつけて)丁寧に描く本作。

何かが起こっているのは間違いないのに、いったい何が原因でどう対処すればいいのか分からず、登場人物はもちろん読者も先の読めない展開に翻弄されてしまいます。

そしてようやく原因が分かった頃には新たな現象が認知され始め……。

作者の恐怖を煽る筆致と、様々な年齢層・社会層の登場人物たちが相互に影響を及ぼし合う構成力には舌を巻きます。

ファンタジーやRPGが好きな方はもちろん、S.キングの『霧(映画版タイトル『ミスト』)』やJ.J.エイブラムスの『LOST』が好きな人にもオススメの1作です。

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