ありえない犯罪を犯した囚人たちの「あるはずのない」記録という体裁で描かれる短編集。ある種のマジックリアリズム小説を思わせる想像の飛翔に凄みがある。一読を。
イギリスに住んでいます。 短編『ヤムシラの林檎』と『砂糖はいかが。』は、やや系統が似ていて、食べ物から見るイギリス史。 『お片づけの依頼はエルムバンクま…
その刑務所には、不条理な物語が詰まっている。淡々と紡がれる奇妙な出来事、後を引く余韻、鳥肌の立つような現象の付きまとう囚人たち。ホラーとサスペンスの絶妙な匙加減によって成り立つ、なんて言葉ではとて…続きを読む
ただ囚人とカウンセラーが語るだけ...のはずがその作り込まれた個性に読者は虜になる。わかりやすいオーバーキルから始まる点も読者の視点に立っていることがわかる。ミステリー好きな貴方、一度読んでみて…続きを読む
とらえどころのない不気味さが、すごくいいです。この世の歯車が少し狂ってしまったような、いわばエラーを隔離する施設。そこにいる人々の声が、一つ一つ拾い上げられます。まずは一つめのエピソード「オーバ…続きを読む
この物語は囚人達の物語だ。 物語の中では様々な囚人が語られるものの、彼らは人の手では裁ききれぬ罪を抱えて監獄の中に閉じ込められている。 存在しない被害者。途方もない善意と献身。立証し得ぬ手段。…続きを読む
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