秋田県の田舎ネタをファンタジーに当てはめた、ゆるーい物語。
「グンマー」が一時期流行ったけど、それはもう古いっ!!
これからは――「アキター」の時代っ!!!!
「猟幽会」、「井中野信用金庫土田舎支店(いなかのしんようきんこどいなかしてん)」など、くすりと笑える名称が、ゆるい物語にとてもマッチしています。
「いなしん」に務める主人公は、田舎のじっちゃんばっちゃん(セーラー服の女の子もいる)に囲まれながら、時折現れる幻獣たちを狩るハンターとしも活動している。一話一話にモンスターが現れ、田舎ならでは独特な方法で退治していくのが見所です。都会ものからすれば斬新で目新しくすら映ります。除草剤、地引網……なにそれ?って感じです。
そんなゆるーい日帰り幻獣退治を、ぜひどうぞ!
せんべいに、あつーいお茶でも飲みながら読むと良いかもしれません。
幻獣跋扈する非日常が襲い来る世界にて、猟幽会なる日常を描いた物語。やだ・・・・・・秋田怖い・・・・・・ボク、岩手で良かった(?)
田舎の牧歌的雰囲気にモンスターが違和感なく落とし込まれており、またそこに生きる人々の営みや対抗手段が現実的なマッチングを生んでいる。
佳境、異世界の何たるかを思い知らされた気分になった。
人は、何故に異世界に憧れるのか。
そこには、望み描いた居場所、真実とはいえない本来の自分、到底得られぬ夢を追い求めるからか。
果たして、突き付けられた現実に対し、何を望み、どう生きるか。
世界を異にするのか、或いは、己を変えるのか。
たとえ、その世界がどこであろうとも、『自分』であることの大切さを教えられたような気分である。
・・・・・・と、いうことで、よぅし、異世界イクゾー!
東北のある田舎町に出現するモンスター・幻獣と戦う地元民の物語です。
登場人物がみんなどこにでもいそう。こういう人、いる! ――そんな人たちが、日常の知恵を駆使して幻獣と戦います。
農薬散布機や地引網で幻獣を倒すところには思わず笑ってしまいました。この道具をチョイスする作者様のセンスに脱帽です。
しかも最後は食べます。
さすが日本人、とりあえず食べられそうなものは何でも食べますよね。
この作品では日常の延長線上に幻獣がいて、幻獣が生活の中に溶け込んでいる。
とても自然で、明日のニュースにクマ情報と同じくらいのレベルで「幻獣が出ました」と報道されそうな。
最後には幻獣が出るようになった原因までちゃんと解明されて、めでたしめでたし。
ここがいつまでもこんな人情味溢れる平和なところであることを祈ります。
舞台はある日突然幻獣と呼ばれるモンスターが現れる事になった現代日本の地方町。
主人公は銀行勤めの社会人ながら、幻獣を狩る『猟幽会』のメンバーで、今日も今日とて畑を荒らすゴブリンやら、学校のグラウンドに現れたアルラウネなどの駆除で午後休を取るのだった。
熊やイノシシなどを狩る猟友会が、モンスターを倒す猟幽会だったら……という現実とファンタジーの融合が絶妙。
幻獣を倒す手段もただ剣を振るい、銃を撃つのではなく、餌にチョコレートを入れて弱らせようとしたり、地引網で海から引き上げようとしたりと、ファンタジーとは違う現代人間の知恵で対抗するのが面白いよね。
また後半には大型幻獣が出てくるのだけれど、倒した後に料理するお約束もしっかり完備。クラーケン、おいしそう。「これ、村おこしに使えるんじゃね!」はリアルすぎて笑った。
よく地方の町に熊なんかがでると、地元の猟友会の方々が出てきてなんとかしてれくますね。「地元の猟友会」ってなんや? ふだんなにしてんだ?といつも思ってました。
そうか、これが猟友会のリアルかー、……と思ったらちがーう!
なんとこちらは「猟幽会」。幻獣を仕留めるボランティアのみなさんです。メンバーはふつうの田舎の人たち。町に出てきちゃったゴブリンやコボルトを狩りにいきます、会社を早退して。
んなバカなというお話なのに、田舎に在住の彼らの会話が妙にリアルで、モンスターの駆除方法も変に理に適ってて、その飄々とした雰囲気がお気楽で楽しい。
アルラウネを倒す新兵器や、クラーケンに対する作戦なんかも、まるで怪獣映画の地方版を見ているよう。クラマックスのゆるーい盛り上がりも良かった。
井中野いなかの信用金庫土田舎どいなか支店。
まず、名前からツボりまして、1話、1話の戦い(敵の属性含む)・現実にあるアイテムでの戦術。内容の凝り方も脱帽です。
町の事件の裏には、異世界からの訪問者で。
そして、対「アルラウネ」戦から、倒れたモンスターの物体を集める、黒マントに身を包んだ謎の少年が出てきたことで物語は急展開!それだけでなく、対モンスター戦も急展開でバトルも本格的!ということで、見どころ満載です!
「幻獣」という彼等。「猟幽会」という仲間。「有給」っていうのもまた良い!
西野さんの最後の台詞。ぐっときます!
ゲームの世界へ行けなくても。
大人になってもこういったこと、あったらいいのになと
ワクワクしながら読ませていただきました!