はかなく、ひどく美しく、こわれてしまうもの

昭和の初め、薄汚れて寂れた炭鉱の町。
少しだけ裕福な家の子である「僕」はある日、
弁士のいない映画館で同級生の少年と出会う。

彼はその映画の内容をすべて知っているという。
なぜなら、彼こそが主演女優「マリア」だから。
それが真実か嘘か、「僕」は試すことにする。

思春期に入ろうとする年頃の少年、ふたり。
「僕」は何かに対して熱い想いを知りかけるが、
それが一体何であるのか──不思議な余韻が残る。

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