異国の風を感じる不思議な物語

本作は詩・童話・その他に分類されていますが
確かにミステリーでもあり、歴史・時代・伝記っぽくもあり
最後に恋愛要素まで入って来るので、分類が難しいです。

舞台は中世のイタリア、泥棒稼業に身を置くラウロという男が主人公
このラウロがどう見ても泥棒には向いていない人物。
運がいいのか悪いのか、とにかくラウロの人生は行き当たりばったりです。

大司教の墓から奪った赤いルビーの指輪を巡って、いろんな人生ドラマが展開されますが、
最後には真っ当に洗濯されたラウロに読者は安堵することだと思います。

今の題名が『シチリア島奇譚(仮)』なのですが、
もう(仮)のままで表したほうがラウロの人生そのものじゃないかと
思ったりもしています。

放っておけない愛すべき悪人、ラウロの物語、面白かったです。

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