悪意が普通に存在する島!

中世という舞台設定から、何やらファンタジックな感じを受けて読み始めましたが、そんな優しい感じは一切なく、生きる事に執着する主人公の周囲で起こる悪意の連鎖が凄まじかったです。
人間の本音の部分を書いておられるのだなと感じました。

ラスト近くで主人公の心情が若干変化するのですが、それすら普通に生きていると誰にでも起こりうる変化であり、彼が特別な人間だと示唆する物ではありません。

これからも主人公は自分の思うまま生き続けて行く。
それだけなのだ、人とはそういうものなのだというメッセージが隠されている気がしてなりません。

こういう設定の物語、大好きなので凄く面白かったです!

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