概要
彼女は、それに気づかない。
紗雪は、個別指導塾の講師だ。夫を事故で失い、大学生の息子・翼と二人暮らし。慎ましいが、翼も二十歳になり、それなりに幸せな日々だ。
ある日、塾の生徒から紗雪へ向けられた一言が、彼らを微かに波立たせる。
その波の水面下に潜んだ、底知れぬ揺らぎ。
彼女だけが、それに気づかない。
ある日、塾の生徒から紗雪へ向けられた一言が、彼らを微かに波立たせる。
その波の水面下に潜んだ、底知れぬ揺らぎ。
彼女だけが、それに気づかない。
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!祖父が教えてくれたのは、愛する為の所作だった。
塾講師をしている主人公には、二十歳になる息子がいる。その息子と主人公は、血の繋がらない母子だった。
主人公はかつて、社内で有名だったシングルファザーと結婚した。その夫の息子が、今の義息子だったのだ。周囲には何故、子持ちのシングルファザーを選ぶのかと、反対の声もあったが、夫は主人公を大事にしてくれた。しかし、その夫は事故で帰らぬ人になる。そのこともあってか、義息子は主人公に優しい。
そんな中、塾である人物から主人公は告白され、物語の色はがらりと変わる。
主人公はまさに沼らせ女。
祖父から受け継いだ瞳と所作の前では、誰もが彼女の沼にはまる。
テーマに合致した、素晴らしい短編でし…続きを読む