概要
飛べるさ、何度だって。
空軍所属の飛行機乗りメグ・ファルマンは、前戦で負傷し、療養を命じられる。戦時中だというのに鄙びた温泉地へ押し込められたメグの鬱屈は溜まるばかり。
ある日、聞き慣れたエンジン音を轟かせて緑色の複葉機が町へやってくる。軽やかな曲芸飛行を見せるその機は、郵便公社の配達機だという。
メグは意を決し、配達機の駆り手、ルイ・ヴィッカースに会いに行く。
空に憧れ、こいねがうすべての人に。
頒布中の同人誌「ヴェイパートレイル」掲載作です。
ある日、聞き慣れたエンジン音を轟かせて緑色の複葉機が町へやってくる。軽やかな曲芸飛行を見せるその機は、郵便公社の配達機だという。
メグは意を決し、配達機の駆り手、ルイ・ヴィッカースに会いに行く。
空に憧れ、こいねがうすべての人に。
頒布中の同人誌「ヴェイパートレイル」掲載作です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「女神」は空の戦場からこぼれ落ち、ひどく純粋な青い理想と出会った
軍属パイロットのメグを世間は「女神」と崇め奉った。
メグはただ空を駆け、敵機を墜とし、国のために働く、
それだけを望んだ。周囲の声など煩わしいだけだった。
「女神」は墜ち、負傷して、鄙びた温泉街で療養している。
その田舎町へ郵便物を届けに来る緑色の複葉戦闘機は、
前線の一流パイロットもかくやというほどの曲芸を見せる。
メグとルイ、2人の卓越した飛行機乗りが各々抱く矜持と理想。
戦時下にあれば「正しい」のはメグなのだが、なぜだろう、
メグはルイを前にして、「非国民」を詰ることができなかった。
淡々と静かで端正な筆致で綴られる、軍属パイロットの静養。
あるいは、1人の女性に訪れた束の間の安…続きを読む