空に焦がれる誇り高き者の物語

  • ★★★ Excellent!!!

前線で心身に傷を負い悶々と療養の日々を過ごすメグが、愛機と同じ戦闘機で見事に空を舞う郵便配達人に対して抱いたのは、「なぜ戦いに出ないのか」という怒りに似た問い。
だが彼と接して、メグは自らの奥底にあるものを悟る。

メグが彼に対して感じる心地の悪さ。徐々にその焦点が合って行き、不意に理解するまで、そしてそこからひとつの決意をするまでが、落ち着いた文章ながらも表現豊かに綴られる。

命をかけて夢を見る。その夢を守ることもまた、ひとつの夢。飛行機乗りたちの品格を感じ、空に思いを馳せたくなる作品。

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