その背中は、晴れない濃霧の向こう側。

タイトルにふさわしい、厳粛な空気。
その中で蠢く群像劇。

舞台は、日本の地図上のほぼ真ん中の岐阜県。
穏やかな風景で、切り裂きジャックを彷彿とさせる事件発生します。

まずは、
地方ニュースと評論家から始まる物語。
スポットが当たる人々、時間軸は、章が進むと
切り裂きジャックの気配を遠くで、近くで感じながら
バトンが渡るような展開は、息を思わずひそめてしまいます。

ヨム側も、
正体不明の、切り裂きジャックに気取られないようにと、
自然に身構えてしまうほどです。

接点が人を繋ぎ、この人物が、こんな所に関わるとは!?
作者様の仕掛けに、翻弄されるのが、とても楽しい作品です。

切り裂きジャックの正体は。
人の繋がりが、波紋となってもたらす、
事件の確信を、是非とも辿ってみませんか?

最後になってしまいましたが、
歌野様。
今回も、手に汗握る素晴らしい群像劇を届けて下さって、
ありがとうございます。
歌野様のおかげで、苦手だったミステリーを手に取れるようになりました。
重ねて、ありがとうございました。

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