15センチの空、解き放たれる

 ラムネというタイトルの妙。
 酸っぱさを感じて、甘みが拡がり、しゅわっと突き抜けて、消えていく爽快感。
 この作品そのものだろう。

 『いいひと』の枠におさまり、自己を抑え付ける。大人でも擦り切れる息苦しさは、少女の身には酷である。

 救いを求めたのは、15センチの青い空。
 この空は、いつか見た空、共に見た空。

 誰かを好きになり、好きな人から好かれるという奇跡こそ世界を変える最たるものだろう。

 空の色は青く、青は若い色だ。
 この空のフレームは、押し込められた枠ではない。
 どこまでも続き、誰もが繋がる広い空だ。

 これからの2人の頭上に広がる空に、光あれと思わずにはいられない。

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