絶対に守る。クニも、お前も――

率直な感想を申し上げると、『すごい作品』でした。
実際存在したかのような時代背景、登場人物。どれをとっても素晴らしかった。

この物語は弥生時代に焦点を置かれた作品でしたが、物語の序盤からその世界に引きずり込まれます。全ての状況が鮮明にイメージとして蘇り、全く当時の背景を知らない無知な私ですら理解できてしまう内容の数々。

これぞ国づくり。
そして、生きるということなんでしょう。

クニのために戦う。
ですがそれは同時に、サナのために戦う戦士たちの命をかけた紡ぎあい。
クニを繋ぐ、命を繋ぐというのは、こういうことなのだと強く感じました。

そして驚きなのが、これが作者様の処女作であるということ。表現力に世界観、どれをとってもレベルが高い。書き手が学ぶべきこともたくさんあるため、全ての方に一度は目を通して頂きたい傑作である。

ラストは涙なしでは語れません。悔しい、だけどどこか納得してしまう。
こうして時代は変わっていくのかもしれません。誰も知らない、見ていないところで命を削る者たちがいる。
作者様の筆力に脱帽です。

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