弥生時代舞台の大陸的戦記

時代小説・歴史小説で圧倒的に刊行数が多く人気の時代は、戦国から幕末までなのが事実だ。その分、他の時代の小説を読みたい読者は飢えている。本作は弥生時代が舞台。なにせ資料もそうない時代だけに、著者の想像力がものを言う。

いろいろな方向性が考えられるわけだが、本作は戦記風の内容としている。しかもけっこう大規模な戦闘を描くので、せせこまい日本の話というより、ちょっと中国の古史ぽい風合いを感じて興味深い。個人的には、最終話近くでタイトルを回収する構成に感心した。

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