読者の感情を揺り動かす"旋律"

読了後、胸を締め付けられ中々言葉が紡げません。

主人公がソプラノサックスをふと始めた、現在。
主人公と彼女、そして帽子さんとの、過去。

時間って先へ先へとしか進まないから、過去の話って物語の流れを一旦せき止めるイメージがあるけど、本作はそんなこと一切無かった。

どうしてかを言葉にできるなら、私だって本作のような素敵な物語を描きたい。
うん、何でかは分からないし、というか読み始めたらそんなこと考える余裕もないです。
だって、物語に引き込まれてしまいますから。

過去で描かれる帽子さんとのやり取りで、私も笑顔になり、
彼女との甘い青春に、カクヨムを開いたスマホを握りしめながら悶え、
ラストで、胸が締め付けられました。

短編で、たった5000字くらい。
こんなにも心が、感情が揺り動かされるなんて。


――私も書いてみよう。
読了後の余韻を味わいながら、自分の創作欲が刺激されていることを理解しました。

素敵な作品です、ぜひ、ご一読とは言わず、ご二読、ご三読を。
読まなきゃ損とは、この作品のことです。

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