ひと夏のソプラノを、君と

作者 真野絡繰

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★★★ Excellent!!!

切なく清らかで、なんてありきたりな言葉でしか表現できない自分がもどかしい。主人公の中ではきっと、このイントロは記憶と深く深く結びついた音なのだと思う。だから、読み手が思うよりずっと感情の動きは大きいはずだ。それを想像するだけで、なんだか泣きそうになる。

★★★ Excellent!!!

こういう物語は好きだなあ。読後感が実に清々しい。
で、この後二人は……なんて想像させる終わり方も好み。

★★★ Excellent!!!

読了後、胸を締め付けられ中々言葉が紡げません。

主人公がソプラノサックスをふと始めた、現在。
主人公と彼女、そして帽子さんとの、過去。

時間って先へ先へとしか進まないから、過去の話って物語の流れを一旦せき止めるイメージがあるけど、本作はそんなこと一切無かった。

どうしてかを言葉にできるなら、私だって本作のような素敵な物語を描きたい。
うん、何でかは分からないし、というか読み始めたらそんなこと考える余裕もないです。
だって、物語に引き込まれてしまいますから。

過去で描かれる帽子さんとのやり取りで、私も笑顔になり、
彼女との甘い青春に、カクヨムを開いたスマホを握りしめながら悶え、
ラストで、胸が締め付けられました。

短編で、たった5000字くらい。
こんなにも心が、感情が揺り動かされるなんて。


――私も書いてみよう。
読了後の余韻を味わいながら、自分の創作欲が刺激されていることを理解しました。

素敵な作品です、ぜひ、ご一読とは言わず、ご二読、ご三読を。
読まなきゃ損とは、この作品のことです。

★★★ Excellent!!!

 一度目は若い二人の美しく切ない恋物語として、二度目は自分でない誰かに想いを寄せる人々の物語として、拝読しました。泣けました。

 楽器の経験がない主人公が、ソプラノサックスを習いたい、と音楽教室に飛び込む。超初心者なのに、吹く曲も練習期間も決めている。先生は、そんな彼を快く受け入れる。それらの理由が徐々に明らかになるにつれ、この物語に登場する人物それぞれの優しさが、読む者の心の中にじんわりと広がっていきます。
 直接出て来ない里香さんの人柄も、「帽子さん」のエピソードでとても伝わってきました。

 ラストの千景先生の言葉は、大切な誰かへの想いをずっと大切にして欲しいという意味にも、里香さんを想う気持ちがきっかけで触れたソプラノサックスに象徴される「新しい出会い」を大事にして次の一歩を踏み出して欲しいという意味にも受け取れます。
 悲しい恋物語ながら、ラストに描かれる「済んだ空」を見上げているような清らかな読後感に、静かに涙いたしました。

★★★ Excellent!!!

唐突に思い立ち、ソプラノサックスを習う「僕」。その理由とは……?
読みやすい文章の中に情景が溶け出し、心に沁みます。

劇中に出てくる"Englishman In New York"の一節

"You could end up as the only one"(唯一無二の人間として人生を終えることができるさ)

が浮かびました。
多分「僕」は彼女の唯一無二になれたんじゃないかなあ、と。

この曲を流しながら、ゆったり読んでみて下さい。

★★★ Excellent!!!

偶然か、或いはこれを運命と呼ぶのか。
作中に登場する楽曲はスティングの中で、否、英国音楽の中で私が最も愛する曲であった。

はっきりと湧き上がってきたのだ、作中でかの楽曲が演奏される時、私にはありありとその景色が見え、音色が聞こえた。

蒼く澄み渡る美しい響きであった。

きっと彼はこのあとも練習し、いつかソプラノサックスのパートをはじめからおわりまで、彼女に聴かせるのであろう。

目を閉じれば耳を傾ける彼女の微笑みまで浮かんでくる。

楽曲と内容が絶妙に調和した、すばらしい作品であった。

★★★ Excellent!!!

帽子さんを気にかける、やさしい理香さん。
彼女のために練習しようと思いついた『English Man In New York』。

サックスは、マウスピースだけでも音を出せるようになるまでは個人差が大きく、8小節だけとはいえ、三ヶ月であのロングトーンを吹くには相当頑張ったはず。
彼の心の中では、最後まで吹いていたのでしょう。

ソプラノサックスの物悲しいイントロが、いつまでも心に残る物語です。
誰かのちょっとした優しさを受け入れられたら、運命は、未来は、変えられるのかも知れない、そんな希望を与えてくれます。

★★★ Excellent!!!

作品を読んでいて、気がついたら涙が溢れていました。
主人公の青年が千景先生と出会ったのは、きっと偶然ではなく必然であったのだろうな、と思わざるを得ません。

『English Man In New York』という楽曲、そしてサックスが繋いでくれた3人の“愛情”の物語でした。
きっと彼女も喜んでくれているはずですね。

★★★ Excellent!!!

嬉しくて泣きそうになり、哀しくて泣きそうになり、そして感極まって泣いてしまう。
これは、それだけ繊細で、とても素敵な物語──

帽子さんが笑ってくれたとき、私もつられて笑ってしまった。
祝賀が始まったとき、私もお酒を飲みたかった。
その事実を知ったとき、悔しくて歯噛みをした。
最後まで読み終えて、いまも涙は、止まらない。

素敵な物語を、素敵な音楽とともに。

★★★ Excellent!!!

 とても綺麗な作品です。

 楽器店のサックスのポスターを見て、これをやらなきゃいけないという強い衝動に駆られる青年と、語られる彼と恋人の記憶。そこに絡む人物全員が無駄なく物語に味を添え、ラストには切なくも清涼な風を吹かせてくれます。
 お話としても勿論ですが、構成や言葉選び、人物描写もとても秀逸。これぞ、ザ・短編、という良作です。読み手としても楽しませて頂きましたが、書き手としても勉強させて頂きました。

★★★ Excellent!!!

板倉さんはある日、千景さんにソプラノサックスを習い始めます。
その理由には、同じコンビニでアルバイトをしている三浦さんが関わっていて……。

切ないお話ですが、それだけではなく、未来が見える終わり方で読後感がとてもいいです。
まだ読んでない方には、オススメをしたい作品です。

個人的には、帽子さんのエピソードがとても温かくて好きです。

★★★ Excellent!!!

一人の青年が何故サックスを学ぼうとしたのか……そこに込められていた想いは一人の女性への純粋な愛だった。
この短編で男女の性格や個性を十分に把握してしまう無駄のない文章構成、そして喜びや悲しみを経て、青年は彼女の為に曲を捧げる。切ないと思う一方で感動も覚える、美しい小説と呼ぶに相応しい一作でございます。

★★ Very Good!!

この短編の中に、実に多くのストーリーを織り込んでいました。

でも情報量を物ともしない上手く纏まった話運びをしていてスッキリ心に入っていくのが、不思議でもあり心地よくもあります。

そんな読み手ライクな文章であり、読み進めている内に各々のストーリーを理解出来ていきます。

ストーリーの深めの質感を、でも爽やかに描いているのもポイントですね。

★★★ Excellent!!!

イントロを結構アピールされていて、イントロだけなのにそれが物語の良さになっていて。上手く言えないのですが、短編なのに多くの物語を詰め込んでいるところにも、脱帽しました。

★★★ Excellent!!!

最初はいい感じに恋愛しているなあって普通に読んでいたのですが、急遽、病気というシナリオでグッと心掴まれた感じがします。

他キャラの描写も分かりやすく、とても読みやすい短編でした。

★★★ Excellent!!!

とりあえずラスト!

いや、正直そう来るんじゃないかなーとは思ってたけど!でもぶわっと来ました。あーもうずるい。


本編も、「イントロだけ」というのがまず凄くいいです。
いや、なにがいいのか上手く言えないけど、とてもいい。色んな情報量が詰まってる感じがします。

淡い恋の描写もきゅんきゅんしますし、帽子さんとか、その他の人物の動きの様子もとても素敵、で、ラスト。

いつまでもこの余韻にひたっていたい、素敵な物語でした。

★★★ Excellent!!!

伝えたい感想はたくさんありますが、ネタバレになってはいけないのでただ一言だけ。とても美しい物語でした。

短編の完成形、真髄を学べる作品です。多くの書き手さんはきっと『こういう風に書ければ……』と衝撃を受けることでしょう。僕もその一人です。

読者として、書き手としてともに、登場人物と物語に少し感動と悔しさを感じたのでした。でも心地よい作品をありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

何気なく歩いて見つけた広告。ふと降りてきた思いにつられて、主人公はソプラノサックスを習うことに。

徐々に明かされていく彼の思い切った行動の意味に、涙なしでは読めないでしょう。

現在と過去の回想を交互に見せる構成が素晴らしいと思います。
前半の爽やかで温かで甘酸っぱい恋模様、そして後半の涙。上手くまとまっていて、無理なく飽きもなく一気に読み進められる。

彼女との思い出の曲を奏でたい。そんな思いが読後にじんわりしみてきて、また次への希望も見えてくるラストが綺麗でした。
大切な人をもっと大切にしたくなるそんな作品です。

★★★ Excellent!!!

何気なく楽器を使ってみたかった、という理由じゃない主人公。
なんでその楽器を選んで、そして吹くのか。
その辺りの話が語られますが、これが切ない。

読後はこれからに繋がる希望の話になっています。
おすすめです。

★★★ Excellent!!!

音楽は人生を表現しているなという思いで物語を読ませていただきました。音の重みさえ感じるサックス。板倉くんへの「続ける」という千景先生の言葉は、きっといろんな想いが込められているのかもしれないです。
甘く切ない恋と愛を奏でた物語です。

★★★ Excellent!!!

作中で取り上げている曲を聞きに行きました。
歌詞の意味は本編とは関係ないのですが、雰囲気がとてもいい曲でした。
このお話を読んだ後に聞くと、凄く染みて来ます。
三か月の間、そして最後の演奏の時に切なさ、幸せだった思い出、いろんな気持ちを抱えていたのでしょうね。

読み終えた後に二度余韻を楽しむことのできるいい作品でした。

★★★ Excellent!!!

たまたま見かけた広告のはずだった。けれどそれはきっとなにかしらの力が働いていた……

実に意味深な冒頭から始まる物語に引き寄せられたのはおそらく読み手のぼく自身でした。
どんな恋物語が展開するのだろう?と思ったら、玉手箱のようでした。若さ溢れる初々しい恋、胸が苦しくなる切ない想い、そして希望に満ちた未来の恋。
この物語を牽引する音楽、曲のチョイスも憎らしい。
美しくまとまっていました。本当にお見事です!!

★★★ Excellent!!!

悲しい物語のはずなのに、なぜか優しい気持ちになれる。それはきっと、「彼女」の心があたたかいからだ。

笑顔も、ときめきも、涙も、過去も未来も、この短いストーリーにギュッとつめこまれている。
こんなに濃厚で、それなのにさりげない。

さすが、の一言に尽きる、何度でも読みたい物語。