概要
地下室で見つけた、希望と幸せ。
地下室に捕えた人間の食事の世話をすることになったのは、人間のことなど何も知らない犬の獣人だった。やがてやってきた別れの後に残ったものは。
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- ★★★ Excellent!!!交わされなかった声と、届けられた想い。
獣人は人間を知らなかった。だからこそ、彼らのやり取りはおぼつかなく、優しいものだったのかもしれない。
交わす言葉も持たない獣人と人間のやり取りは、食事という微かな行為から連なるものだった。
知らない故に見たことに対する印象が異なる獣人の一人称は、彼の気質と彼らのやり取りの結果を思わせる優しい言葉選びです。
ひとつひとつ拾い上げるように、またはひとつひとつ積み立てるように。やさしい手で並べられるような文章は穏やかで、それでいてこちらの心をじっと見据えるように捉えてなりません。
静かで美しく、最後に並んだ言葉を抱きしめたくなるような物語。とぷんと清水に浸るような時間を、どうぞ。