石田三成と共に六条河原に散った、関ケ原もう一人の主役。

戦後、主戦派の一人と目されて六条河原にて処刑されていながらも、後世その活躍が注目される事のない人物。

その『安国寺恵瓊』にスポット当てた異色の傑作。

石田三成の苦悩や大谷吉継との友情、島津の敵中突破や小早川の裏切り。
主戦場から目を離しても、第二次上田合戦、長谷堂城の戦い。
有名なエピソードばかりが注目されがちな関ケ原の戦い。
日本史上最大の戦役となったこの戦いは、正しく全国規模で行われ、各地で様々なドラマを生み出し、今でも尚、埋もれた題材は沢山残っています。

主戦場から目を離せば、伏見城の戦い、丹後や伊勢での東軍の奮戦、佐竹の孤立上等の決断、九州騒乱。

主戦場においても沢山あります。
井伊や松平の抜け駆け。
福島を押しまくった宇喜多の大善戦。
小西の主戦場での奮戦と、本拠地での悲痛。
黒田と島の激闘。
織田有楽斎の奮闘。

そして毛利の空弁当。

東軍の勝利を決定づけたのは、小早川金吾の裏切りではない。
西軍の敗北を決定づけたのも、小早川金吾の裏切りではない。
西軍総大将、毛利一族が動かなかった事にある。

その謎を、裏の裏まで捲って見事なストーリーに仕上げています。
ぜひご一読下さい!

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