素直な心の動きを追う2人の物語

女装する男子と、その友人の心の動きを学校生活という舞台から眺めた物語。
互いにとまどいながら、いろいろと考えて動いていることが素直に感じられる様子は、読んでいて甘酸っぱくさわやか。

構図的には「変わった奴」と「変わった奴を観察する奴」という、バディ構成。ジャンルは違うが、ホームズとワトソンみたいものかもしれない。
そして主人公は当人である桜川真ではなく、どちらかというとそれを見守るカイトなのだろう。
カイトの困惑こそ、この物語の主題なのかもしれない。読むときは、ぜひそこも楽しんでもらいたい。