女装する男子と、その友人の心の動きを学校生活という舞台から眺めた物語。互いにとまどいながら、いろいろと考えて動いていることが素直に感じられる様子は、読んでいて甘酸っぱくさわやか。構図的には「変わった奴」と「変わった奴を観察する奴」という、バディ構成。ジャンルは違うが、ホームズとワトソンみたいものかもしれない。そして主人公は当人である桜川真ではなく、どちらかというとそれを見守るカイトなのだろう。カイトの困惑こそ、この物語の主題なのかもしれない。読むときは、ぜひそこも楽しんでもらいたい。
この作品では、生徒会長が朝一番にあることをすることが、一種の鍵になっています。そして先生方もそれを黙認しています。 小生の中学時代の校舎は非常に古く、床板が剥がれまくる状態でした。それで学校にいつも一番早く来ている生徒には、学校の床板の下から自宅まで穴がつながっているなどという、ありえない噂が立ちました。この作品を読んでいたら、そんなおバカな中学生時代を思いだし、懐かしい思い出に浸ってしまいました。 皆様もこの作品を読んで、生徒会長に憧れたり、自分の生徒時代を思いだしてみたりしませんか?