花はひとりでいきてゆく

作者 市來 茉莉

女一人ずつに与えられる、漂う花の匂い。

  • ★★★ Excellent!!!

この作者の方は、女性を魅力的に描く女流作家さんだ。
主人公の花南(カナ)は、一見して男を虜にする魔力を持っている。
簡単に恋には堕ちない。けれど、瞳の力が情熱的。
冒頭から、その生き生きとした色香に包み込まれる。

それは仕事振りにも発揮されて、ガラス職人としての描写も素晴らしい。
自由奔放に見える彼女が、いつも何かに縛られているように見えたのは
自分とは逆な、姉のせい。ある理由で旦那と息子を残して死んだ。
その理由を読んだ時、かなり戸惑ったけれど、それ以上に
彼女と姉の旦那である義兄との関係が気になって、読み進めて良かった。
最後までブレナイ、丁寧で隙のない作りの本格的な作品だ。

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