究極を志した美は戦慄となる

いずれ失われるはずの少女特有の美しさを永遠に閉じ込めたい。と願ったことがある人間は、存外多いのではないでしょうか。ですが流れる時は決して留められず、また少女の時を止めようとすれば少女の美すらも喪われてしまう以上、それは不可能。だからこそ、人間は「人形」それも少女を模した人形に心惹かれるのかもしれません。もしも美しい少女を素材に造られた人形があったとしたら……。それは非常に美しい。だけど同時に非常におぞましい存在なのでしょう。

本作の天使人形、そして本作の美しさは、凄まじい。まさに怪物的。あるいは「悪魔的」の一言がしっくりきます。怖い、恐ろしい、と戦慄しつつも、美しさに惹かれて読み進めてしまう。この魅力、まさしく悪魔的です。

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