麻雀について

・麻雀と大学生

大学生になったからには「とりあえず知っておこう」というものはいくつかあるよね。そのなかでも、酒、煙草、麻雀。おそらくこれがトップ3じゃないかな。


酒は、まあみんな祝勝会で飲むからね。好きな人はどんどん飲むようになるし、苦手な人は自分のペースを覚えるのに役に立った。


煙草に関しては、意外と喫煙率が高かった。体育会系とはいえ、そこまで心肺機能に気を遣う必要がないし、(中らないと)ストレスも溜まるしで、道場の裏には喫煙スペースが作られてた。吸わない側からすると迷惑……。

今は大学構内が全部禁煙になったっぽいけど、喫煙者はどうしてるんだろうか。


そして麻雀。剣道部や弓道部には道場がある。つまり、コタツ+麻雀という定番セットを置くスペースがあるわけで。

とはいえ、もちろんみんな貧乏学生なんでお金は賭けない。負けた人がお菓子を買いに行くとか、好きな人のことを喋る、とかその程度。うーん、健全。


・麻雀大会

寒稽古かんげいこの際に伝統的に行われてきた行事があった。

その名も雀魔王戦じゃんまおうせん

部内の公式行事ではなく、あくまで有志によるもの。寒稽古中は射数のノルマが決められてたんだけど、雀魔王戦に参加するヤツはノルマが1.5倍に増える、という裏ルールがあった。麻雀して遊ぶなら、他の人以上に練習しろ、ということらしい。自分に厳しい!

その雀魔王戦でビリになった人(通称、雀奴隷じゃんどれい)は、道場に何か役立つものを寄贈しなければならない、という(ビリ以外)みんなが幸せになるルールがあったため、麻雀をしない人からもそれなりに注目を集めてた。


え? 僕の成績はどうだったかって?

ここまで書くからには雀魔王戦に参加したんだろうって?

ああ、もちろん参加したさ!

そして……だったよ!

ただ、寄贈するようなモノを持ってなかったしお金もなかったから、代わりに部誌(年に一度出てOBにも配布するガチなやつ)に雀魔王戦のことを寄稿したよ!

そして何百人ものOBに読まれたわけだ! 自分が雀奴隷になったいきさつを!


――――――――――――――――――――――――――

皆が慎重になるなか、○○が動いた。

「リーチ!」

空気が堅い。牌が重い。ここで振り込むわけにはいかない。

皆、強く念じながら、牌を、切る。

「ロン!」

○○の声が響く。誰が振り込んだ? ――●●だ!

――――――――――――――――――――――――――


こんなのが部誌に載ってるわけですよ。みんな弓道に対する想いとか書いているなかで……。

でも、その寄稿が意外と評判良くて「お前、文才があるな」なんて先輩方からおだてられたのがきっかけで小説を書き始めたわけで……。

あのとき、オーラスで振り込んでいなければ、いまこうしてカクヨムにいることもなかったかもしれない……。

だから、今僕がここにこうしているのも、弓道(と麻雀)のおかげなのです。


と、良いオチ(?)がついたところで、オマケはおしまい。

お粗末様でした。

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弓道小話 穂実田 凪 @nagi-homita

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