この物語の文章には癖がある。
勿論、良い意味でです。
おそらく、作者の方が別の物語を書いたとしても、文章だけで気がつくような。
文章自体にファンがつきそうな、そんな癖です。
オークが主人公の物語は珍しく、以前から気になっていました。
カクヨムにあると知り、さっそく読んでみることに。
物語は唐突で、知らない世界の知らない地名を語られるところから始まります。
事前情報は一切ありません。
専門用語も出てきますし、種族による関係性や国の情勢も出てきます。
なんだなんだと思っている内に、オークであるグスタフは、ダークエルフであるディネルースと邂逅するのです。
普通なら情報量が多すぎて混乱しているところですが、この物語は自然と脳内へ流し込んでくる巧さがあります。
今まで私が読んできたファンタジーは、エルフが味方でダークエルフが敵という構図が多かったように思います。
しかしこの物語は、主人公と手を組むのがダークエルフの方なのです。
面白い。
一瞬で虜にさせられました。
独特な世界観だからこそ、キャラクターの魅力がひとしお輝いている。
まさか、オークをこんなにもかっこいいと思う日が来るなんて──!
未読の方はぜひ読んでみてください。
なんと、140万字越えの小説が無料で読めます。
これが無料で読めるんですよ。
WEB小説って最高ですね。
とは言え、私の微々たるお金は、今ここに飛んでいくことが決定づけられた訳ですが。
書籍も買います。
素晴らしい物語をありがとうございました。
とても興味深く、面白い作品でした。
地味になりがちな兵站が鮮やかに描かれており、作者様の軍事に対する豊富な知識と、高い文章力を感じました。
多くの作品において戦闘部隊が主軸となっているのに対し、この作品では兵站部隊を中心に物語が展開しています。
兵站というのは軍事の専門家が論じる分野であり、それゆえ一般人には理解が難しい分野でもあります。
ですが本作品の軍事描写は詳細でありながら分かりやすいので、軍事に詳しい方も詳しくない方も楽しめると思います。
その上、ファンタジー世界を描き出した風景描写はとても精緻で快く、軍事に興味のない方でも楽しめるような工夫を感じました。
他にも色々な魅力がありますが、最も評価すべき本作の魅力は、やはり詳細な軍事描写でしょう。
ネット小説に限れば、軍事描写で本作品と比肩できる作品はそう多くありません。
軍事が好きならば、ぜひ目を通してみてください。