蝉の抜け殻を触媒に、死と向き合った時の人間のあり方を描いた佳作

ひとりの女性の死を通して、人と人の結びつきや無貌の感情を描いたよい作品でした。幼い主人公の淡々とした語り口で、死をきっかけにふだんとは違う顔を見せる人々の姿が浮き彫りになります。
蝉の抜け殻を集めるのが好きだったというのもとても印象的で、それに対する各人の対応の違いがまたおもしろいです。
よい作品をありがとうございました。

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