人の心に寄り添える人にしか書けない。

どんな人も、もし死んだら幸せでいてほしい……
まして、苦しんだ人生だったのなら……
多くの人は、この世で寂しさを抱いているのだから……


まだ小学生の主人公が、人生で初めて人の死を経験する。
それが優しい年上の従妹、由永さんの自殺。

主人公が、亡くなった由永さんの家族や友人を観察する。
それが自殺した由永さんに寄り添っているように見える。
そこに優しさを感じる。

どんな人にも、寂しさを埋めようとする何かがある。それが空蝉。

人の心に寄り添える作者にしか書けない小説だと思う。

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