概要
刺客の子として生まれた平山小弥太は、父と共に殺しの旅に出た。
念真流という一族の秘奥を武器に、行く先々で人を斬って生き血を浴び、獣性を増しながら刺客として成長していく。
少年期の「小弥太篇」と元服後の「雷蔵篇」からなる、天暗の宿星を背負って生まれた少年の、血塗られた生を描く、第一回アルファポリス歴史時代小説大賞の特別賞を受賞した、連作短編集。その完全版が登場!!
――受け継がれたのは、愛か憎しみか――
<スピンオフあります!>
天暗の星~念真流寂滅抄~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882663887
※今作の前章的作品
※小説家になろう・アルファポリスにも掲載中。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!狼の裔とは言い得て妙です。孤高な点は虎ですが、日本にいないから。
冒頭に、徳川だ徳河だ、と戯言っぽいプロローグが控えています。
これって、オチャラケ路線なの?
と思って読み始めましたが、重厚な時代小説です。筑前筑後さんはファンの期待を裏切りません。
幾つものエピソードの連作で、それが大河の様に流れて行きます。
NHKの大河ドラマの方は、蕩々と流れるだけで、奔流、濁流と言う雰囲気は無いです。史実に基づくので、予定調和的。平穏な黄河イメージ。
でも、本作品は、氾濫しそうな、荒れ狂う黄河のイメージです。
だから、最初のエピソードで読むのを止める事は可能ですが、中盤まで読み進めると、濁流に呑み込まれ、50万字の濁流に溺れてしまうでしょう。
それでも、河口まで流さ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!父と子の話
まずは第一部を読みました。
時代物としても剣術物としても面白かったのですが、この話の本質はやはり父を見る子の話と思います。
子があまり多くを語らない父の行動を見て、なぜそうしたのか、自分もそうしなければならないのか、そうなりたいのか、ならなければならないのか、などなど葛藤するところに引き込まれました。
私の父は温厚かつあまり私に何かを課することがなかった人なので、平山清記のような父が欲しいなと思ったこともあります。そうすればもう少し緊張感のある生活の中で、自分も成長できるのではないかな、というような。この話ではそうした父性に憧憬を感じつつ読むことができたので、個人的にはとても楽しめました…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アルファポリス第1回歴史・時代小説大賞 特別賞受賞作が完全版になった!
かつてアルファポリスの歴史・時代小説大賞で特別賞を受賞した快作が完全版として更にパワーアップしました!
とにかくカッコいい時代劇を読みたい方にオススメ!
一見すると虚無的な少年剣士と、その父親が、藩に仇なす者どもを討っていく刺客行脚の物語としてスタートしますが、第一章ではまだ少年の内面は明かされず、章が進むにつれてだんだん深く掘り下げられていきます。
討たれる側にもしっかりとした動機や信念、ドラマがあり、単なる勧善懲悪ではありません。
本作で一本筋が通っている裏テーマは「武士の義務と矜持」。その刀は民を守るために戦うためのものであろうという事、その代償として禄を得ているのだという事が行間か…続きを読む