父と子の話

まずは第一部を読みました。
時代物としても剣術物としても面白かったのですが、この話の本質はやはり父を見る子の話と思います。

子があまり多くを語らない父の行動を見て、なぜそうしたのか、自分もそうしなければならないのか、そうなりたいのか、ならなければならないのか、などなど葛藤するところに引き込まれました。

私の父は温厚かつあまり私に何かを課することがなかった人なので、平山清記のような父が欲しいなと思ったこともあります。そうすればもう少し緊張感のある生活の中で、自分も成長できるのではないかな、というような。この話ではそうした父性に憧憬を感じつつ読むことができたので、個人的にはとても楽しめました。

ストーリー的には、お気に入りは二章です。様々な人の思惑がそれぞれあって、目的が同じなのにそこに行き着く動機や行動が違うのがよかったですね。

少し間を置くことになるかもしれませんが、第二部以降も読みたいです。雷蔵になった小弥太がどうなるのか、今から楽しみです。

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