ノスタルジーから感動の現実に導く、文句なしの傑作!!
- ★★★ Excellent!!!
仕事がきっかけで、故郷に行くことになった主人公。そこで待っていたのは、遠い昔に同じ時を過ごした同級生だった――。
といった感じで始まる本作ですが、序盤からさまざまな仕掛けがあり、島という舞台が、ある種の現実離れした雰囲気に包まれ、一気に物語に引きずり込まれます。この作品ではレモンがキーワードで登場しますが、もう一つ重要なキーワードが『同級生』だと思いました。
島を離れた二人は、長い時間別の人生を歩んでいるわけですから、再会しても当時の二人ではありません。しかし、それでも過去と現実をリンクさせていくのですが、その手法が見事で、ノスタルジー漂う世界観を作り上げられています。
メインとなる仕事についても、かなり細かい描写がされていて、異業種の方でも共感できるのではと思います。
登場人物、舞台、ストーリー、テーマ、いずれもコンテストの趣旨に合っていると思います。
素晴らしい作品と、素敵な時間を提供していただきありがとうございました。ちなみに私は、おばあちゃんがある強烈なお願いを主人公にする場面で泣けました。
文句なしで星三つとさせていただきます。みなさまも、是非一読されることを強くお勧めします!