過去と現在が交わりながら、紡ぎ出される島のレモンを巡る物語

まだ一章を読み終えたところなのですが、とにかくオススメしたくてレビュー。

舞台は瀬戸内に浮かぶとある島の果樹農家。
かつてのヒットメーカーである主人公が、それに続くヒット作品を生み出せず喘いでいたときに出会ったのは、大ヒット商品のレモンジャムを栽培していた昔の同級生。

そんな始まりの物語ですが、とてもお話の組み立て方が上手で、それだけにとどまらず、島のもつ独特の空気感や情景、人々の雰囲気や心理描写に至るまで、緻密に描き出されていて、本当に自分がその世界の真ん中に立って物語を見つめているような感覚になれます。

はじめは一人奮闘していた主人公が、いろんな人たちとの交流を通じて成長していく様子は、お仕事小説としても完成度が高いです。

ぜひ、この作品でどこか甘酸っぱい懐かしさと、息を呑むような男たちの戦いを体験してみてください!

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