仕事がきっかけで、故郷に行くことになった主人公。そこで待っていたのは、遠い昔に同じ時を過ごした同級生だった――。
といった感じで始まる本作ですが、序盤からさまざまな仕掛けがあり、島という舞台が、ある種の現実離れした雰囲気に包まれ、一気に物語に引きずり込まれます。この作品ではレモンがキーワードで登場しますが、もう一つ重要なキーワードが『同級生』だと思いました。
島を離れた二人は、長い時間別の人生を歩んでいるわけですから、再会しても当時の二人ではありません。しかし、それでも過去と現実をリンクさせていくのですが、その手法が見事で、ノスタルジー漂う世界観を作り上げられています。
メインとなる仕事についても、かなり細かい描写がされていて、異業種の方でも共感できるのではと思います。
登場人物、舞台、ストーリー、テーマ、いずれもコンテストの趣旨に合っていると思います。
素晴らしい作品と、素敵な時間を提供していただきありがとうございました。ちなみに私は、おばあちゃんがある強烈なお願いを主人公にする場面で泣けました。
文句なしで星三つとさせていただきます。みなさまも、是非一読されることを強くお勧めします!
まだ一章を読み終えたところなのですが、とにかくオススメしたくてレビュー。
舞台は瀬戸内に浮かぶとある島の果樹農家。
かつてのヒットメーカーである主人公が、それに続くヒット作品を生み出せず喘いでいたときに出会ったのは、大ヒット商品のレモンジャムを栽培していた昔の同級生。
そんな始まりの物語ですが、とてもお話の組み立て方が上手で、それだけにとどまらず、島のもつ独特の空気感や情景、人々の雰囲気や心理描写に至るまで、緻密に描き出されていて、本当に自分がその世界の真ん中に立って物語を見つめているような感覚になれます。
はじめは一人奮闘していた主人公が、いろんな人たちとの交流を通じて成長していく様子は、お仕事小説としても完成度が高いです。
ぜひ、この作品でどこか甘酸っぱい懐かしさと、息を呑むような男たちの戦いを体験してみてください!
爽やかな柑橘の香りがして、香ばしい珈琲が漂って、ほんのり甘いスウィーツがあって。
大人の男と女がいて、苦くて甘くて切ない。
歳のせいかわかりませんが、何度か泣かせて頂きました。
ああ、これいい話だって、胸がざわざわしました。
もう色々ご馳走様な小説です。
うちの本棚に並んでいてほしい。
たまに思い出して読み返すから。
注:ここからは心の声
本屋勤めの妹に「先に見つけたの俺」って自慢したい!
紙に印刷された活字で読みたい!
飲食業界、特にカフェ業界のヤツ!絶対読め!リアル過ぎて泣けるぞ!
絶対ネタバレなんて書いてやるものか!
読んだ人だけが幸せになるんだ!