船上を舞台にした本格的ミステリー小説

ややダークな色合いを持った本格的ミステリーです。

舞台は八丈島沖の船上。
海底ケーブルの敷設船クレイトン号で巻き起こる、いわゆるクローズドサークルミステリー。

海底に設置されている通信用海底ケーブルの保守会社をめぐる、様々な謎が複雑に絡み合っていきます。

主人公となる二人の女性、陽とミクリオコンビのコントラスト強めの掛け合いが、本格的なミステリーに華やかさを与えてくれていて、読んでいても重っ苦しい雰囲気にならないのも良いです。

水中探査カメラのケーブルの切断事故、船上での猟奇殺人、富士山噴火の予言。

これらの謎が一つに繋がった時、迎える結末。
まるで一本の映画を見終えたような、読後感は、本格的なミステリー好きも満足させてくれるはず。