概要
王朝瓦解の兆候、燃え盛る業火。裏切りと失望のなか、魔将が覚醒する。
広大なその大地は、後に製図した者達が、
「まるで正面を向いた牛のような」
と筆を走らせるほどに奇妙な形をしていた。
両端は南へ下がって海に面し、中央は顔のように大きく広がり口を象るかの如くその南部には大河が流れ込む。
自らの手駒を殺されたことを口実に西北の府、順門府侵攻を開始する帝と、それを受けて立つ老将、鐘山宗円。
そして、二人の王者の争いに巻き込まれた上社信守と鐘山宗善。
それぞれ真逆の陣営に居ながら、若き二人は己の在りように苦悩する。
戦場の中に地獄を見た時、彼らは答えを得られるのだろうか……?
※Arcadia、なろうで書いていた作品の微修正版です。
「まるで正面を向いた牛のような」
と筆を走らせるほどに奇妙な形をしていた。
両端は南へ下がって海に面し、中央は顔のように大きく広がり口を象るかの如くその南部には大河が流れ込む。
自らの手駒を殺されたことを口実に西北の府、順門府侵攻を開始する帝と、それを受けて立つ老将、鐘山宗円。
そして、二人の王者の争いに巻き込まれた上社信守と鐘山宗善。
それぞれ真逆の陣営に居ながら、若き二人は己の在りように苦悩する。
戦場の中に地獄を見た時、彼らは答えを得られるのだろうか……?
※Arcadia、なろうで書いていた作品の微修正版です。
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- ★★★ Excellent!!!時は「樹治」の御世、その王朝が倒れる時、人は鬼となり、将は魔となる……
この国にも似た世界、似た国の、王朝の時代――「樹治」。
その「樹治」の時代において、帝の野心、すなわち先帝の偉業を超えたいという野心が、国を、人を動かし――時代を、さらなる乱世へと誘う。
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特に、「魔将」と呼ばれる人物が、闇落ちする…続きを読む