昼生まれ? 夜生まれ?

生まれる時間で、生きる世界も、空間も、時間も、人権さえも変わってしまう時代。

夜に生まれた主人公は、国の所有物とされ、夜に現れる神出鬼没な『死獣』の討伐のために徴兵され、仲間とともに命をかけさせられる日々。

そんな当たり前に思っていた日常が、ある少女との出会いで変わり始める。


その細部まで丁寧に作りこまれた世界観は、違和感なく読み手をその世界へ引き込みます。思わず、日の光を恐ろしいものだと読み手も感じてしまうほどに。

そして、昼と夜の格差、不平等、夜の住人たちのあまりに酷い環境に憤る主人公は、自ら世界の謎に挑むことを決意します。

クライマックスは、読んでいて度肝を抜かれる方も多いでしょう。



まるで昼間でも夜の闇にいるように鬱屈したものが溜まった現代社会にあって、この作品は胸のすくような希望と勇気を与えてくれる作品なのではないでしょうか。

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