百年の時間、百キロの空間を味わえる

「あなたの街の物語」コンテストの受賞作タイトルの中でとても気になっていた作品でした。
1行目から、世界に連れていかれました。
ふるさとの風景の奥底に積み重なった時間、人の温かみ。
今は少し、でもきっと昔は遠く離れていただろう地域との交流の歴史。
すしを作る情景から感じられる、
「ああ、きっと昔からこうやってすしが作られて、人が暮らしてきたんだろうな」
という言い様のない重み。
まろやかで深い、まさに糀の小説です。
長い年月をかけて制作されたドキュメンタリのようで、私はこういう作品をずっと読みたかった!と、読みながら涙ぐんでしまいました。
この作品に出会えたことに感謝です。
これからも応援しています!

その他のおすすめレビュー

円堂 豆子さんの他のおすすめレビュー43