ライチの危うい香りに導かれて、ひと時、少女たちの秘密を覗く。

読みながら、「私はいったい今何を読んでるんだ?」と気が遠くなる気分でした。

表向きには、二人の少女の物語。
でも、描かれているのは、少女たちの瑞々しい生命力、可憐さ、友情、不安、危うさ――きっと他にもあると思います。
もしかしたら、読む人ごとに姿や雰囲気を変えていく物語なのかもしれません。
いろんな要素が繊細に組み合わさっていて、なおかつ一つに馴染んでいる、大きなアート作品を鑑賞する気分で、圧倒されながら読み終えました。

この作者さまの作品が好きでほぼ全て読んでいますが、この作者さまにしか書けない物語世界で、一番好きな作品になりました。
素晴らしかったです。ブラボー!