妖怪たちの個性が際立っていて、めちゃ面白いです。おどろおどろしい妖怪ではなく、どこかお茶目で愛嬌のある妖怪たち。
主人公のクリニックの先生と彼に恋するクロコちゃん。この二人のやりとりがまた面白い!
ものすごく作り込まれた設定で、しっかりした構成に脱帽です。さらにはたくさんの縛り……。読む側としては楽しませてもらえますが、これは……考えるのスゴすぎ!
一話一話で楽しめますが、しっかりと次の話への伏線が張ってあり、読み進めるにつれて、ほぉほぉ、と唸らされます。
そしてラスト。ぜ~んぶまとめて大団円! これは絶対オススメです!
神社を改良したという、ちょっと風変わりな診療所で繰り広げられる妖怪譚。
この診療所、風変わりのはそれだけじゃありません。院長の山吹先生は妖怪が見えるという変わった能力の持ち主。その山吹先生を慕っていつもやって来る謎めいた女の子クロコ。お菓子をせびる(笑)子供たち。そして「モノノ怪が出る」という噂・・・・・・。
コミカルで時にはほろりとさせられる物語がこの「七ツ闇クリニック」で展開します。
一話完結型で、各話が山吹先生視点の章とクロコ視点の章の2部構成になっており、主に診療所を部隊にお話が進みます。さらに前話に登場した妖怪が次話の伏線になる、などいくつかの構成上の制約が設けられています。
こうしたかっちりした枠が設定されているからか、妖怪たちの弾けっぷりがとにかく楽しい♫ 個性的な「モノノ怪」たちからどうやって診療代を徴収するのかが毎回の見所のひとつ。各話はどれも抜群に完成度が高く、大好きな作品のひとつになりました。
嬉しいことに続編が始まっているのでこちらも読んでいきたいと思います。
ぜひご一読を!
物腰は柔らかい反面、心の内はちょっと黒い(?)けれど、人間でも妖怪でも関係なく優しいお医者様・山吹先生。
かわいくて感情豊かで山吹先生を一心に慕っているかわいい女の子・クロコちゃん。
この二人が、人間の子どもたちややってくる妖怪たちと過ごす、和風現代ファンタジー。
元神社の病院。話が変わるごとに出てくる美味しそうな食べ物。愉快なビジュアルの妖怪たち。四季折々の行事。そして毎回変わるクロコちゃんの衣装!!!
とても美しい映像が出てくるのもこの作品の楽しいところです。
ですが、やっぱりこの作品の一番の魅力は、山吹先生とクロコちゃんの視点が交互することでしょう。
二人の交流の心の内から得るものは、「やっぱりこの二人は、この物語は本当にやさしい」という、満たされた穏やかな気持ちです。
短編集ですので、どこからでも読めます。
気負わず、ぜひ読んでください。
でも順番ずつ読むと、きっともっとやさしい気持ちになれます。
妖怪モノというと、やはり人気は異能を駆使したバトルものになるかもしれません。
しかし、この作品にはそうした要素はありませんが、代わりに素敵な要素があります。それは、人と妖怪がふれ合う、『人情』ではないでしょうか。
とある寂れたクリニックを舞台に、毎回現れる個性豊かな妖怪との交流は、見事な仕掛けも絡んで毎回飽きさせないストーリーになっています。そのアイデアの見事さもそうですが、何より全てをまとめる山吹先生とクロコちゃんのキャラクターが秀逸だと思いました。
とにかく一話を読んでみてとすすめたくなるこちらの作品、ちょっと疲れた時の癒しにいかがでしょうか?
素敵な妖怪との一時は、文句なしのオススメですよ!
これは★3じゃない、★5です!
作品としてのクオリティが高過ぎて、思わず嫉妬してしまいました。
優しいけど時々ちょっと腹黒い、良い意味で人間臭い先生の愛されるキャラクター、
そんな先生を慕う人や妖怪達とともに紡がれる心温まる物語です。
読んでいて楽しいのはもちろんですが、特筆すべきは芸術的とも言える構成力!
一話ごとに話が完結していて、毎回綺麗なオチで締められていると共に次話以降の伏線がしっかり張られていて、
読者にそれを感じさせながらも、その予想を軽く超えていきます。
特に最後に全てが綺麗に繋がった時は本当に美しかった・・・
楽しい物語をお探しの方!
物語を書いてみたいけど、どう書けば良いか分からない方!
絶対の自信を持ってオススメします!
まずは手にとってみるべし!10万文字なんか、あっと言う間に感じるくらい面白いから!
妖怪モノの話は数あれど、本作で見事なのはその構成力です。
一話ごとに完結する連作短編となっているのですが、毎回決められたパターンと言うか、お約束がいくつもあり、全ての話でそれをこなしていくきます。
そうなると縛りが多くてワンパターンになるんじゃないかと要らぬ心配もしましたが、様々な切り口で読者を飽きさせません。
そして構成力と同じくらい、登場人物が魅力的なのです。
ちっとも患者さんの来ない貧乏クリニックの医者、山吹先生。基本的にいい人なのですが、金欠のためいつも心に余裕のないお人です。
そんな山吹先生を慕ってやって来る少女、クロコ。お金の心配をしたり、ちょっと抜けてる先生に指摘をしたりと、このクリニックが今も潰れず残っているのは彼女の功績と言っていいでしょう。
その他にも毎回登場するガキどもや、代わる代わる出てくる妖怪達など、とにかく個性豊かな面々が揃っています。
妖怪と言っても決して恐ろしいものではなく、毎回読み終わった後には温かい気持ちになれるので、怖い話が苦手な方でも安心して読むことができます。
『七つ闇町』というなにやら恐ろしげな名前の街を舞台に、妖怪の見える医者・山吹先生の活躍する物語。
というか、活躍しているのはいつも傍にいる謎の中学生(?)クロコちゃんかもしれません。
先生は金欠で食いしん坊。というか食に飢えている。いつもコンビニのカップ麺ばかり食べていて、医者なのに健康が心配です……。
そんな先生の会計係を自認する、しっかり者のクロコちゃんの活躍がほほえましいです。
そして話の本筋にはあんまり関わらないけれど、おやつ目当てに毎回出てくる小学生たち。彼らも良い味出しています。
そして何よりも妖怪達が、毎回個性的で楽しいのです。
みんなどこか現代的。ぶっ飛んでるけど憎めない。
そしてあんまり怖くはないです(笑) でも身近に居たら厄介かも……!?
短編連作で気軽に読めますが、前の話のマジックアイテム(?)が必ず次回に生きてくる構成など、つい先が気になってしまう仕掛けがあるので要注意です。
あっという間の全10話、ぜひ読んでみて下さい。
作者様の作品を読むきっかけとなったのは、短編集風に編さんされている所です。
順を追って拝読させていただいておりますが、どこから読んでも楽しめる作りになっていると感じました。
構成は、一夜毎の前編に山吹さんの視点から、後編はクロコさんの視点から描かれております。
現在の所、小判猫、尻茶碗、猿柿、ばったもん、聖夜爺、賽ノ目と、第六夜まで公開されております。
妖怪ファンタジーとは、まさしくそのジャンルに入ることでしょう。
個人的には、お人のよろしい山吹さんも好きなのですが、ちょっとだけ内緒ができないクロコさんがもっと好きです。
愛らしくて仕方がありません。
きっとさくらんぼの頬っぺたになっているのではないかと思います。
それにしても、世知辛いですよね。
そこも見どころです。
打ちひしがれない、その生き方。
私の個人的見解ですが、手塚治虫大先生の『火の鳥」や『どろろ』と関連のある『八百比丘尼』を連想しました。
元気になること間違いなしです。
一席を設けておりますので、是非、お立ち寄りください。
このお話は主に医師の山吹先生と押しかけ助手のクロコの二人を中心に進んでいきます。
この山吹先生は、器量も腕も悪くなく、おまけに優しいので近所の子供にも懐かれています。
ただ欠点があるとすれば、怖ろしいくらいお金に縁がないことくらい。
なので助手のクロコはクリニックの経営に頭を抱えている始末。
ただでさえ大変なのに、なぜか妖怪たちがトラブルを起こしその尻拭いに追われる毎日。
物語の特徴としては、あやかしは沢山でてきますが、必殺技や聖剣の類いは出てきません。
トラブルをどうやって解決するかは読んでからのお楽しみ。
伏線回収やオチの素晴らしさはお見事。
とってもハートフルな物語でした。
万年金欠状態の町医者と謎めく少女のコンビが織りなす妖ほのぼのドタバタ劇。
ある一定のパターンが踏襲されており、アニメのお約束めく安定感が心地いい短編連作です。個性豊かな妖怪たちが、自由にやんちゃに、はた迷惑にと主人公の日常をかき乱します。
とにかく、お金に困っている主人公。
どうしてこんなにお金に縁がないのか。
はじめは少し不思議です。
けれど、お話が進むにしたがって、この謎も解けていく……
ちょっと腹黒っぽいのですが、お人好しすぎる先生と、そんな先生が大好きなクロコちゃん。この二人の明るい掛け合いも魅力です。
抜群の構成力による、見事なオチと最終話の盛り上がり。
可愛くて、楽しくて、賑やかな作品が好きな方、おすすめですよ。
七ツ闇という町にある診療所「七ツ闇クリニック」。そこでは昔から物の怪が出るという……。
本作は町唯一の医師である山吹先生と、相棒(?)の着物姿の少女クロコが織り成す短編連作です。
山吹先生の医師の腕は確かなものの、クリニックは赤字経営。
あの手この手でやりくりしているのですが、そこで現れるのが物の怪たち。
各話には毎回個性豊かな物の怪が現れ、交流が奇妙でおかしく、そして楽しく描かれています。
全十話+αの構成はドラマを見ているようで、最終夜は終わってしまうのが惜しくなるのでちょっと読むのを躊躇ってしまいましたが、
しっかり素晴らしい展開になっていました。
物の怪はもちろん、独特なネーミングのおかしやことわざなど小ネタも利いている名作です。
ぜひこのクリニックの患者さんになってみてください。
これは、妖怪の見えるお医者様、山吹先生が、不思議少女クロコちゃんと、人間も妖怪も訪れる『七ツ闇クリニック』で過ごす日常を描いた物語です。
やっぱり世の中お金が無いと医者もやっていけないのですが、山吹先生は人が良いので、それがわかっていても自分の損を顧みず、人間も妖怪も診てしまいます。
クロコちゃんはそんな先生が大好きで、だからついついお金に厳しくなってしまう。でも、やっぱり彼女の心には先生がいるから最終的には先生の善行につきあっちゃう。
おっとりした先生としっかりものな彼女の二人が妖怪達と織りなすハートフルな物語。
もちろん妖怪たちもとても人間ぽいのばかりで、良いキャラクターしてます。
クリニックに遊びに来る子供たちとか周囲の人間とのやりとりもほのぼのできます。
2、3話で1つのお話になっていますが、あるお話で得たものが次のお話で役立つ等、話の構成も楽しめる良作です。
全体的にほのぼのしていて、読んでいて楽しい連続短編でした。
主役の山吹先生とヒロインで実は妖怪のクロコちゃんをはじめ、出てくるキャラすべてに愛嬌があってとても魅力的なやつらでした。
物語の流れにきっちりお約束が作りこまれているのが、何気にすごいと私は思いました。
さらに、短編でありながら、問題の解決に必要なキーアイテムやヒントは、その前に語られたエピソードの中にあるという、巧みな構成になっており、作者様の物語を練りこむ技術の高さを感じました。
ほのぼのしたり、笑えたり、ときにホロリ。
物語を楽しむ上での様々な要素が詰め込まれた、素敵な作品でした。