七ツ闇クリニック。懐は涼しくても、心の内は妖怪をも温める先生が居ます。

 モノノ怪。七ツ闇クリニック。
並ぶ響きは、血脇肉踊る妖怪奇談の展開を思わせますが、ほのぼのクリニック話です。
いつも懐が涼しい山吹先生が居る、学校帰りの子供達のたまり場。
不思議な少女クロコ。
話を飾る妖怪達は一つ二つと困り事を抱え、山吹先生やクロによって、まるでリレーと小咄のオチのように解決して行きます。
その繋がりは、人と妖怪達を渡す山吹先生の優しさを体現するかのようです。
また、話のたびに変わるクロコの装いにも注目です。

 季節を感じ、妖怪達の息遣いを感じる物語は、心温まる感動のラストへ向かい、読む側を包んでくれます。

 素敵な物語を、ありがとうございました。
小判猫と出会えて、とても幸せでした。

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