モノノ怪クリニック

作者 関川 二尋

374

130人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

患者さんは来ないけど、妖怪は来る、神社の中でひっそりと佇む診療所が舞台です☆

山吹先生は子どもにも妖怪にも優しいお医者さんなんですが、妖怪が出るという噂で、経営はいつもピンチ!

それを助けるのが、経理係みたいな役割のクロコちゃんです!

いつも赤字経営なので、先生にいつも口やかましく言い立てますが、心の中では先生のことが大好きな模様♡

そんなところどころ見せる乙女な一面がたまらなく可愛らしいです。

他にも個性的な妖怪や、妖怪に興味津々な子供たち。
彼/彼女らのやりとりが、ほっこりしていて、読んでいてとても楽しいです!

そして、最後は少しうるっとする場面も?

笑いあり涙ありの、ハートウォーミングな短篇集。
あなたの疲れた身体を癒やしてくれる、そんな心温まる物語です★

★★★ Excellent!!!

毎回毎回、山吹先生とクロコちゃんとの同じような会話で始まる日常の中で、可笑しなモノノ怪が登場して小さな事件が起きる。

昔の人達は、普通にこんな風にモノノ怪達と繋がっていたのかもしれない。もう私達の周りにはモノノ怪達はいなくなってしまったのかな?
数は少なくなってしまったかもしれないけれど、私達が彼らの姿を見ようとしなくなった、声を聞こうとしなくなっただけのようにも思う。
この物語を読むと、そんな姿を探し、耳を澄ませたくなる。
クリスマスやお正月、お花見の過ごし方も変わるかもしれない。

一つ一つのほっこりとした温かな出来事が、わらしべ長者のように繋がっていく物語。わらしべ長者のように? 
結末はお楽しみに! 
楽しい物語の中に、大切にしたいものが詰まっている作品です。

★★★ Excellent!!!

すでに沢山の方々から高い評価のある作品ですが、実際に読んでみると期待以上の面白さでした。
万年金欠病でお金を稼ぐことには不器用な山吹先生と、しっかり者のクロコちゃんのコンビがとても可愛らしいです。各エピソードの登場人物 (妖怪) たちもユニークなキャラクターが勢揃い。軽やかなテンポで小気味よく進んでいくお話。そして洒落のきいた言葉遊び。
まるで現代風な落語を読んでいるような楽しさです。
こんなクリニックなら、自分も妖怪になって山吹先生に診てもらいたい、なんて思います。(クロコちゃんの請求が怖いですが...)
最終話には豪華な展開もあり、笑ってほっと和める素敵な妖怪譚でした。

★★★ Excellent!!!

子どもたちが決まって向かうのは、鳥居の向こう側の診療所。
各々の湯呑を持って、お菓子を囲んだひと時を過ごすのは、いつも(ヒマだから)温かく迎えてくれる山吹先生の元で、街に流れる不思議な噂話をするため。
とりわけ彼らの興味をくすぐるのが『妖怪』にまつわる話題で、吸い寄せられるように山吹先生の元に何かと困った妖怪たちが集まってきます。

こちらのクリニックの先生は、天然・毒舌の物腰柔らかめで、純真と無自覚の狭間を揺蕩う基本良い人です。が、人情厚いものの毎月の支払いに頭を抱えていて、いつもそばに現れるクロコというしっかり者の少女になんだかんだ救われています。

ずり落ちた眼鏡をツッーっと上げつつ、診療所を訪れる妖怪たちを分け隔てなく治療する山吹先生と、毎度衣装を変えて登場し、先生の助手(特に資金面で)として駆け回る可愛らしいクロコの微笑ましい関係は必見!

近所の子供達や昔からの馴染み、町医者としての町の人達との関係、どれもこれも人間味が溢れていて楽しいのですが、特筆すべきはユニークで憎めない、なおかつどこか可愛らしい妖怪たち。特徴もネーミングもウィットが効いていて面白いのです。

しっかりと噛み合った歯車のような一連の物語の構造は読みやすく、次に登場するであろう妖怪をワクワク待つような気持ちにさせてくれます。こちらの妖怪図鑑を紐解けば、きっとお気に入りの妖怪に出会えること間違いなし。

是非、お楽しみあれ♬

★★★ Excellent!!!

舞台は「モノノ怪が出る」という噂のせいで閑古鳥の鳴く診療所。
妖怪が見える医者・山吹先生と、何か秘密のありそうな少女・クロコ、そして賑やかなモノノ怪たちの織り成す、ちょっと笑えてほっこり心の温まる短編連作です。

先生とクロコの毎度のやりとりもさることながら、登場する妖怪がみんな本当にいいキャラです。
私のお気に入りは、マシンガントークでノリツッコミする大阪のおっちゃんみたいな『ばったもん』と、ガラの悪いお雛様率いるヤンキー集団『雛々団』。
回が進むごとに馴染みのメンバーが増えていくのが、大変楽しいです。

1話ごとに綺麗にお話が帰結するため、少しずつでも読みやすいのが良いところ。
報酬として(?)手に入ったアイテムが、わらしべ長者的に次の回で活用されるのも、よく考えられています。

ラストの大団円は、とても感動しました。
がやがやと賑やかで、ドタバタ楽しくて、ほわほわと優しさに感動する、素晴らしい作品です。
多くの人が楽しめる物語だと思います。ぜひお読みください!

★★★ Excellent!!!

 かつて神社があった丘の上に、今は小さな診療所がある。

 ところがこの診療所、慢性的な『赤字経営』なのだ。請求書の束を抱え、今月末の支払いにも困るありさま。
 なんといっても患者が来ない。
 そればかりか、どういうわけか妖怪ばかりが集まってくる。

 支払いに頭を抱えつつ、表面上は大人の余裕を見せようとする医師・山吹。
 その手助けをする謎めいた少女・クロコ。
 そして、あまりにも個性的すぎる妖怪たち。

 そんなキャラクター同士のやり取りが楽しい。

   ***

 主人公の山吹は、どこか気弱で頼りなく、裏では腹黒い本音を抱えていたりもする。
 でも、腐っても医師。患者に対してはとことん真摯だ。
 そして、底抜けのお人好しでもある。困っている者がいれば、自分が大損をするのも構わず全力で助けようとする。

 そんな山吹のそばに寄り添うクロコは、どこか不思議な少女だ。
 見た目は中学生くらいだが、頼りない山吹の世話をせっせと焼く。
 山吹の不甲斐なさにため息をつきながらも、毎月のやりくりに頭を使い、ときには「治療費」の取り立てまで行うしっかり者。

 そんな二人のもとに、入れ替わり立ち替わり妖怪たちが現れてはドタバタと騒ぎを起こす。
 とても賑やかで楽しい作品だ。

   ***

 物語は、短いエピソードで区切られている。
 それぞれ完結しているので、とても読みやすい。

 そして、ちょっとユニークな構成になっている。
 どのエピソードも、前半が山吹視点での「事件発生編」、そして後半がクロコ視点での「事件解決編」となっている。視点を変えながらも過不足なく事件の経緯が語られ、解決まで導かれる。二人の視点の違いも面白い。

 また、物語の構成が実にうまい。
 各エピソードにさまざまな妖怪が登場し、ポイントとなるアイテムが描かれ、しっかりとオチまでついている。しかも、その妖… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

妖怪たちと心通わすことができる、不思議な医師・山吹先生。
彼が経営する『七ツ闇クリニック』には、毎日妖怪たちと子供たちが賑やかに集います。
先生は、その相手をしたり問題を解決したりと大忙し。
それなのに常時抱える困窮問題。
何故なら、このクリニックには(人間の)患者が全然来ない!!

毎度毎度繰り返される、先生を慕うしっかり者女子・クロコとの「今月の支払いどうするんですか!」トーク。
お人好しかつのんびりすぎる先生と、常に金銭問題に頭を抱え続けるクロコとの「お約束」なやり取りは、何度読んでも安定の面白さ&安心感です。
おやつを要求する子供たちの訪問も、お金がない妖怪たちを診察する羽目になるのも、日常茶飯事。
でも、先生の持ち前の優しい人柄が、そこに惹かれるクロコの尽力が、いつの間にか幸運を引き寄せ、毎度なんとかなってしまう。
いいなあ、安心するなあ。

決して怖くはない妖怪たちと、人間たちの、温かな思いが全編通してあふれてきます。
ほっこりしながら楽しめる、人情妖怪奇譚。
思わずツッコミたくなる面白エピソードが満載です!!

★★★ Excellent!!!

主人公の山吹先生とその手伝いをしている少女クロコの営業している診療所にはさまざまな妖怪たちが集まってきます。

しかし彼らは恐ろしい存在ではなく、不思議な力を持ちながらも人間の生活にそっと寄り添ってきた、愛すべき隣人たち。

そんな彼らの抱えている悩みを解決する主人公たちの物語です。

毎回、山吹先生視点の前編とクロコ視点の後編で構成され、短いのに起承転結があり伏線も回収されて読みやすい作品です。

疲れたときに心を癒すのに良いかもしれません。
是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

全体的にほのぼのしていて、読んでいて楽しい連続短編でした。
主役の山吹先生とヒロインで実は妖怪のクロコちゃんをはじめ、出てくるキャラすべてに愛嬌があってとても魅力的なやつらでした。
物語の流れにきっちりお約束が作りこまれているのが、何気にすごいと私は思いました。
さらに、短編でありながら、問題の解決に必要なキーアイテムやヒントは、その前に語られたエピソードの中にあるという、巧みな構成になっており、作者様の物語を練りこむ技術の高さを感じました。
ほのぼのしたり、笑えたり、ときにホロリ。
物語を楽しむ上での様々な要素が詰め込まれた、素敵な作品でした。

★★★ Excellent!!!

これは、妖怪の見えるお医者様、山吹先生が、不思議少女クロコちゃんと、人間も妖怪も訪れる『七ツ闇クリニック』で過ごす日常を描いた物語です。

やっぱり世の中お金が無いと医者もやっていけないのですが、山吹先生は人が良いので、それがわかっていても自分の損を顧みず、人間も妖怪も診てしまいます。

クロコちゃんはそんな先生が大好きで、だからついついお金に厳しくなってしまう。でも、やっぱり彼女の心には先生がいるから最終的には先生の善行につきあっちゃう。

おっとりした先生としっかりものな彼女の二人が妖怪達と織りなすハートフルな物語。
もちろん妖怪たちもとても人間ぽいのばかりで、良いキャラクターしてます。
クリニックに遊びに来る子供たちとか周囲の人間とのやりとりもほのぼのできます。

2、3話で1つのお話になっていますが、あるお話で得たものが次のお話で役立つ等、話の構成も楽しめる良作です。

★★★ Excellent!!!

七ツ闇という町にある診療所「七ツ闇クリニック」。そこでは昔から物の怪が出るという……。

本作は町唯一の医師である山吹先生と、相棒(?)の着物姿の少女クロコが織り成す短編連作です。
山吹先生の医師の腕は確かなものの、クリニックは赤字経営。
あの手この手でやりくりしているのですが、そこで現れるのが物の怪たち。
各話には毎回個性豊かな物の怪が現れ、交流が奇妙でおかしく、そして楽しく描かれています。
全十話+αの構成はドラマを見ているようで、最終夜は終わってしまうのが惜しくなるのでちょっと読むのを躊躇ってしまいましたが、
しっかり素晴らしい展開になっていました。

物の怪はもちろん、独特なネーミングのおかしやことわざなど小ネタも利いている名作です。
ぜひこのクリニックの患者さんになってみてください。

★★★ Excellent!!!

 ギリギリの経営をしているクリニックの山吹先生と、勝手に会計役をつとめるクロコが、妖怪たちを相手に奮闘するお話です。どの妖怪も人懐っこいというか可愛らしいです。
 お話は見事に構成されていて、毎回「なるほど」と感心しながら読みました。

 ほのぼのとした中に笑いと感動がしっかり入った名作です。是非お楽しみください。

★★★ Excellent!!!

万年金欠状態の町医者と謎めく少女のコンビが織りなす妖ほのぼのドタバタ劇。
ある一定のパターンが踏襲されており、アニメのお約束めく安定感が心地いい短編連作です。個性豊かな妖怪たちが、自由にやんちゃに、はた迷惑にと主人公の日常をかき乱します。

とにかく、お金に困っている主人公。
どうしてこんなにお金に縁がないのか。

はじめは少し不思議です。
けれど、お話が進むにしたがって、この謎も解けていく……

ちょっと腹黒っぽいのですが、お人好しすぎる先生と、そんな先生が大好きなクロコちゃん。この二人の明るい掛け合いも魅力です。

抜群の構成力による、見事なオチと最終話の盛り上がり。
可愛くて、楽しくて、賑やかな作品が好きな方、おすすめですよ。

★★★ Excellent!!!

このお話は主に医師の山吹先生と押しかけ助手のクロコの二人を中心に進んでいきます。
この山吹先生は、器量も腕も悪くなく、おまけに優しいので近所の子供にも懐かれています。
ただ欠点があるとすれば、怖ろしいくらいお金に縁がないことくらい。
なので助手のクロコはクリニックの経営に頭を抱えている始末。
ただでさえ大変なのに、なぜか妖怪たちがトラブルを起こしその尻拭いに追われる毎日。
物語の特徴としては、あやかしは沢山でてきますが、必殺技や聖剣の類いは出てきません。
トラブルをどうやって解決するかは読んでからのお楽しみ。
伏線回収やオチの素晴らしさはお見事。
とってもハートフルな物語でした。

★★★ Excellent!!!

作者様の作品を読むきっかけとなったのは、短編集風に編さんされている所です。

順を追って拝読させていただいておりますが、どこから読んでも楽しめる作りになっていると感じました。

構成は、一夜毎の前編に山吹さんの視点から、後編はクロコさんの視点から描かれております。

現在の所、小判猫、尻茶碗、猿柿、ばったもん、聖夜爺、賽ノ目と、第六夜まで公開されております。

妖怪ファンタジーとは、まさしくそのジャンルに入ることでしょう。

個人的には、お人のよろしい山吹さんも好きなのですが、ちょっとだけ内緒ができないクロコさんがもっと好きです。

愛らしくて仕方がありません。

きっとさくらんぼの頬っぺたになっているのではないかと思います。

それにしても、世知辛いですよね。

そこも見どころです。

打ちひしがれない、その生き方。

私の個人的見解ですが、手塚治虫大先生の『火の鳥」や『どろろ』と関連のある『八百比丘尼』を連想しました。

元気になること間違いなしです。

一席を設けておりますので、是非、お立ち寄りください。

★★ Very Good!!

『七つ闇町』というなにやら恐ろしげな名前の街を舞台に、妖怪の見える医者・山吹先生の活躍する物語。
というか、活躍しているのはいつも傍にいる謎の中学生(?)クロコちゃんかもしれません。

先生は金欠で食いしん坊。というか食に飢えている。いつもコンビニのカップ麺ばかり食べていて、医者なのに健康が心配です……。
そんな先生の会計係を自認する、しっかり者のクロコちゃんの活躍がほほえましいです。
そして話の本筋にはあんまり関わらないけれど、おやつ目当てに毎回出てくる小学生たち。彼らも良い味出しています。

そして何よりも妖怪達が、毎回個性的で楽しいのです。
みんなどこか現代的。ぶっ飛んでるけど憎めない。
そしてあんまり怖くはないです(笑) でも身近に居たら厄介かも……!?

短編連作で気軽に読めますが、前の話のマジックアイテム(?)が必ず次回に生きてくる構成など、つい先が気になってしまう仕掛けがあるので要注意です。
あっという間の全10話、ぜひ読んでみて下さい。

★★★ Excellent!!!

クロコが可愛い……可愛すぎです。^-^
そして山吹先生も泣けてくるくらい優しいくて素敵。
猿柿も4人組の子供も良いですね!
ひな人形たちのギャップがこれまた可笑しくて、思わず肩を揺らしてしまいました。
一話ずつ読み切りなのに、一気に最後まで読んでしまいました。
楽しい時間をありがとうございました!

★★★ Excellent!!!

妖怪モノの話は数あれど、本作で見事なのはその構成力です。
一話ごとに完結する連作短編となっているのですが、毎回決められたパターンと言うか、お約束がいくつもあり、全ての話でそれをこなしていくきます。
そうなると縛りが多くてワンパターンになるんじゃないかと要らぬ心配もしましたが、様々な切り口で読者を飽きさせません。

そして構成力と同じくらい、登場人物が魅力的なのです。
ちっとも患者さんの来ない貧乏クリニックの医者、山吹先生。基本的にいい人なのですが、金欠のためいつも心に余裕のないお人です。
そんな山吹先生を慕ってやって来る少女、クロコ。お金の心配をしたり、ちょっと抜けてる先生に指摘をしたりと、このクリニックが今も潰れず残っているのは彼女の功績と言っていいでしょう。
その他にも毎回登場するガキどもや、代わる代わる出てくる妖怪達など、とにかく個性豊かな面々が揃っています。

妖怪と言っても決して恐ろしいものではなく、毎回読み終わった後には温かい気持ちになれるので、怖い話が苦手な方でも安心して読むことができます。

★★★ Excellent!!!

これは★3じゃない、★5です!
作品としてのクオリティが高過ぎて、思わず嫉妬してしまいました。
優しいけど時々ちょっと腹黒い、良い意味で人間臭い先生の愛されるキャラクター、
そんな先生を慕う人や妖怪達とともに紡がれる心温まる物語です。

読んでいて楽しいのはもちろんですが、特筆すべきは芸術的とも言える構成力!
一話ごとに話が完結していて、毎回綺麗なオチで締められていると共に次話以降の伏線がしっかり張られていて、
読者にそれを感じさせながらも、その予想を軽く超えていきます。
特に最後に全てが綺麗に繋がった時は本当に美しかった・・・

楽しい物語をお探しの方!
物語を書いてみたいけど、どう書けば良いか分からない方!
絶対の自信を持ってオススメします!

まずは手にとってみるべし!10万文字なんか、あっと言う間に感じるくらい面白いから!

★★★ Excellent!!!

妖怪モノというと、やはり人気は異能を駆使したバトルものになるかもしれません。

しかし、この作品にはそうした要素はありませんが、代わりに素敵な要素があります。それは、人と妖怪がふれ合う、『人情』ではないでしょうか。

とある寂れたクリニックを舞台に、毎回現れる個性豊かな妖怪との交流は、見事な仕掛けも絡んで毎回飽きさせないストーリーになっています。そのアイデアの見事さもそうですが、何より全てをまとめる山吹先生とクロコちゃんのキャラクターが秀逸だと思いました。

とにかく一話を読んでみてとすすめたくなるこちらの作品、ちょっと疲れた時の癒しにいかがでしょうか?

素敵な妖怪との一時は、文句なしのオススメですよ!

★★★ Excellent!!!

物腰は柔らかい反面、心の内はちょっと黒い(?)けれど、人間でも妖怪でも関係なく優しいお医者様・山吹先生。
かわいくて感情豊かで山吹先生を一心に慕っているかわいい女の子・クロコちゃん。
この二人が、人間の子どもたちややってくる妖怪たちと過ごす、和風現代ファンタジー。

元神社の病院。話が変わるごとに出てくる美味しそうな食べ物。愉快なビジュアルの妖怪たち。四季折々の行事。そして毎回変わるクロコちゃんの衣装!!!
とても美しい映像が出てくるのもこの作品の楽しいところです。

ですが、やっぱりこの作品の一番の魅力は、山吹先生とクロコちゃんの視点が交互することでしょう。
二人の交流の心の内から得るものは、「やっぱりこの二人は、この物語は本当にやさしい」という、満たされた穏やかな気持ちです。

短編集ですので、どこからでも読めます。
気負わず、ぜひ読んでください。
でも順番ずつ読むと、きっともっとやさしい気持ちになれます。

★★★ Excellent!!!

神社を改良したという、ちょっと風変わりな診療所で繰り広げられる妖怪譚。

この診療所、風変わりのはそれだけじゃありません。院長の山吹先生は妖怪が見えるという変わった能力の持ち主。その山吹先生を慕っていつもやって来る謎めいた女の子クロコ。お菓子をせびる(笑)子供たち。そして「モノノ怪が出る」という噂・・・・・・。
コミカルで時にはほろりとさせられる物語がこの「七ツ闇クリニック」で展開します。

一話完結型で、各話が山吹先生視点の章とクロコ視点の章の2部構成になっており、主に診療所を部隊にお話が進みます。さらに前話に登場した妖怪が次話の伏線になる、などいくつかの構成上の制約が設けられています。

こうしたかっちりした枠が設定されているからか、妖怪たちの弾けっぷりがとにかく楽しい♫ 個性的な「モノノ怪」たちからどうやって診療代を徴収するのかが毎回の見所のひとつ。各話はどれも抜群に完成度が高く、大好きな作品のひとつになりました。

嬉しいことに続編が始まっているのでこちらも読んでいきたいと思います。

ぜひご一読を!

★★★ Excellent!!!

先生・クロコ・子供達、そして妖怪。
主要人物にそれぞれのパートがあり、余すことなく一話が完結する内容に驚嘆。特に妖怪のキャラクター設定は、オリジナリティーが溢れていて、コミカルな一挙手一投足の動きを間近で見ているような描写が素晴らしいです。絵や映像があったら、さらに人気を博すんじゃないかな……と、文字だけの作品にしておくのは勿体ない気持ちにさせてくれる小説です☆

★★★ Excellent!!!

 妖怪たちの個性が際立っていて、めちゃ面白いです。おどろおどろしい妖怪ではなく、どこかお茶目で愛嬌のある妖怪たち。
 主人公のクリニックの先生と彼に恋するクロコちゃん。この二人のやりとりがまた面白い!

 ものすごく作り込まれた設定で、しっかりした構成に脱帽です。さらにはたくさんの縛り……。読む側としては楽しませてもらえますが、これは……考えるのスゴすぎ! 

 一話一話で楽しめますが、しっかりと次の話への伏線が張ってあり、読み進めるにつれて、ほぉほぉ、と唸らされます。
 そしてラスト。ぜ~んぶまとめて大団円! これは絶対オススメです!

★★★ Excellent!!!

いっつも収入難に追われ、それでも「健康なのは良いことです」と言い張るちょっとお金に黒い先生と。
それを支える集金係(?)クロコとのやり取りが楽しい、妖怪たちとの日常を描いた作品です。

子供たちがやってきて。
噂話を持ち込んで。
今日も患者が居なかったと思いきや、妖怪のお客さんがやってくる。
そしてクロコの視点へ。

と基本的には毎回決まった展開なのに、まったく飽きさせずお話が転がっていきます。
そのうえ「物語」として綺麗にまとまっていて、以前の出来事や報酬として貰ったものが次へと関わってくる。
まるでパズルのようにしっかりとハマっていく様は読んでいて気持ちが良い。

どのお話も温かで楽しくて。
まるでドロップ甘露のように、毎回違った味わいを楽しませてくれる。
そんな”お楽しみ”がたっぷりと詰まった作品を、どうか味わってみてください。
おすすめです!!

★★★ Excellent!!!

全話、どこをどうとっても面白いのですが、最初からじっくりゆっくりお読みいただくことをお勧めします。

決して派手ではないけれど、派手なアクションもバトルもない(少し派手な方々はいますが)けれど、人間よりも人間らしい妖怪たちが織り成す、心にしみる、よいお話。

そして最終話の感動。年甲斐もなくジーンときました。

今後山吹先生が破産し、話がつながらくなってしまう未来だけは絶対に来ないよう、祈るばかりです。

★★★ Excellent!!!

癒されました。一つ一つの物語が作り込まれているし、情景を表現する技術が洗練されていて読み手の心情を操っています。ヒロインであるクロコが泣けば読み手も涙し、笑えば頬を緩ませてくれます。
主人公の山吹先生はとても優しい人です。それと同時に人間っぽい感情もしっかり持ち合わせています。←(悪い意味でも)
それでも主人公の真摯で直向な態度が好感を誘いました。クロコじゃなくても惹かれてしまいますね。

各話に必ず新しい妖怪達が登場し物語の軸になり、話数が進むにつれて過去の登場人物達が活躍する構成は最高の読みごたえです。ここで書くのもあれなんで、是非一度拝読されては如何でしょうか。最初から最後まで練りこまれた物語に感動するでしょう。

日本映画の巨匠、黒澤明監督が弟子達に言っていた事を思い出しました。
「作品を見終わった時に、清々しい気持ちになるモノを作りなさい」
まさにモノノ怪クリニックはそんな気持ちにさせてくれる作品です。
作者様の優しさが滲みでていると思いました。

次回作を作る予定があるとかないとか噂されていますが、クロコと先生の関係にメスを入れるのかどうか。もうすでに私は想像を膨らませています。

最後になりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読ませて頂きましてありがとうございます。

いっぱいの感謝の気持ちを込めて。

★★★ Excellent!!!

 神社を改良したという怪き診療所、「七ツ闇クリニック」。
妖怪が見える希有な能力を有する先生と少女を中心に、クリニックを訪ねてくる愉快な子供達と個性豊かな妖怪が織りなす、人情溢るる一話完結型のハートフルストーリーです。
 彼らの日常に癒されてみては如何でしょうか。是非、是非。
 
 

★★★ Excellent!!!

 モノノ怪。七ツ闇クリニック。
並ぶ響きは、血脇肉踊る妖怪奇談の展開を思わせますが、ほのぼのクリニック話です。
いつも懐が涼しい山吹先生が居る、学校帰りの子供達のたまり場。
不思議な少女クロコ。
話を飾る妖怪達は一つ二つと困り事を抱え、山吹先生やクロによって、まるでリレーと小咄のオチのように解決して行きます。
その繋がりは、人と妖怪達を渡す山吹先生の優しさを体現するかのようです。
また、話のたびに変わるクロコの装いにも注目です。

 季節を感じ、妖怪達の息遣いを感じる物語は、心温まる感動のラストへ向かい、読む側を包んでくれます。

 素敵な物語を、ありがとうございました。
小判猫と出会えて、とても幸せでした。

★★★ Excellent!!!

同じ作者様の傑作、
『若君は吸血鬼』『ボーイズダイアリー』を経て
ここに辿り着きました。

全体の感想からまず書きますと、
とても人物配置やシナリオが面白く、
また一貫して各話同じレイアウトで構成されているので
実写映像化すればウケるなと思いました。

次にキャラクターですが、
こちらはもう『さすがですね』の一言に尽きます。

若君やBDでも思いましたが本当にこの作者様は
キャラクターの扱いが上手いです。

山吹先生やクロコ、その他多くのサブキャラ達が
時に主役となり、時に添え物となって魅力的に
動きます。

と、ここまで書いてレビューなのに
内容を1ミリも伝えてなかった事に気が付きました。
ではおもむろに。

『もちろん、面白いですよ!!』

★★★ Excellent!!!

幸福は誰にとっても傍に置いておきたいものです。
それが人であっても、物であっても。
あれば幸せ!と思えるだけで、人生何とかなるものではないでしょうか。
そんな方にはこちら、『モノノ怪クリニック』はまさにうってつけの作品とお薦め致します。

お気楽だけど心の優しい山吹先生。
そんな先生を慕い、暗躍するクロコ。
両者の掛け合いと助け合いを軸に展開されていく本作品は、一話ごとに、抱くべき優しさと思いやりに充たされることでしょう。
果たしてクロコさんの想いは先生に届くのでしょうか?!


少し世の中がくすんで見えてしまっている貴方。
ぜひとも『七ツ闇クリニック』へ来院なさってみてはいかがでしょうか。

拙いレビュー失礼致しました。

★★★ Excellent!!!

温かい日差しに照らされた神社で、ふと吹いた風の音が人の声に聞こえたことはありませんか?
暗い病院や学校の廊下に、無機質な科学では語れない、何か不思議なものが存在するような気がしたことはありませんか?

この物語は、関東地方のとある県、とある町の唯一の診療所を経営する「山吹先生」と、その傍で彼を支える「クロコ」という少女、そして診療所に訪れる様々な物の怪の物語です。
筆者が特筆したいのは、この物語があくまで表層的、悪く言えば振り回されるように物語を進める山吹先生のパートの後には必ず、クロコのいわばお片付けのパートがある点です。
クロコは山吹先生の生活を守る為にも、時にはビシっと物の怪達に治療の請求に迫ります。しかしその場面すら健気にも、コミカルにも感じ、決して不快には感じません。
それはきっと、仕方ないなぁ、という感じに多くのことを許してしまえる優しさが、クロコから垣間見えるからだと筆者は思います。

昼の山吹色も、夜の黒色も、この物語ではいつだって温かいです。
着飾ることのない、ささやかな優しさに触れたい方は、ぜひご一読されてみては如何でしょうか。

★★★ Excellent!!!

1話1話がほのぼのとした雰囲気を醸し出していて、どこまでも優しさに満ちた小説です。
読んでいると、こっちまで穏やかな気持ちになれます。
言葉だけで、ここまでほのぼのとした雰囲気を感じさせる作者様は、ホントに凄いです。


そして登場するキャラクターたち。
山吹先生とクロコちゃん、そして登場するモノノ怪たちの魅力については、もうすでに多くの方が語られていますので、僕は子供たちについて少しだけ。

この小説では、毎回近所の子供たちがクリニックに遊びに来ます。
四人の個性的な子供たちなんですが、この子たちが結構お話のきっかけとなっていて、さらに山吹先生やクロコちゃんの、内にある性格や心情を照らし出しています。
彼らの関係性も、少しずつ明かされていくので、そこも気になるところです。

個人的にですが、一体マサヒコくんは、ランドセルになんの恨みがあるんだろう、とかも考えてしまいます。
アキナちゃんとトシオくん、チエミちゃんも、可愛くて魅力的な子たちです。
彼らがいてこそのクリニックだと思います。


最後にお話の方ですが、医者である山吹先生と、その助手であるクロコちゃんが、モノノ怪たちと出会い、その縁を紡いでいく物語となっています。
ただ困っているモノノ怪たちを助けて……という小説ではありません。
読んでみれば、その意味がわかると思います。

なのでまだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてください。
ホントに面白いですし、各話すぐに読み終えてしまう筈です。

★★★ Excellent!!!

先生に恋してるクロコちゃん、すごく可愛い!そしてそんなことには全く気付いていない先生。このムフフ感、たまらないです。
先生に気付かれないように、クロコちゃんが大活躍してて、それがまた愛くるしい。
アニメ化されたら、クロコちゃんのコスプレイヤーが沢山登場しそう!

★★★ Excellent!!!

神社跡に建てられたクリニック。
だが、患者は人間ではない。
妖怪が見える医師と、クリニックに現れる妖怪の、何ともほっこりするお話。
登場人物のキャラが個性的で、妖怪はもちろん、助手のクロコちゃんが可愛い。
七夜の鶯のお話では、思わず笑ってしまいました。

(第七夜拝読後のレビュー)

★★★ Excellent!!!

優しくて欲のない貧乏な医者の先生(人間もモノノ怪も両方治療できます)と、助手的な存在のモノノ怪の女の子の両方の視点から綴られる、妖怪的なトラブルと解決のお話です。一話一話綺麗に物語がまとまっていて、とても読みやすいです。先生の人柄が素晴らしく(優しくていい人だけどちょっと抜けている性格)、助手のクロコは可愛いながらもしっかりしていて(お金のこともしっかり考えて生活力の低い先生をサポート)、とてもいいコンビです。登場する妖怪たちも個性的で面白く、子どもたちのキャラも立っていて、先生との交流にくすりとします。一話一話読むごとに優しい気持ちになれます。ぜひ多くの人に読んでほしい心温まる作品です。

★★★ Excellent!!!

いつも「お金が欲しい!」と公言しているのに、お人好しでほとんど儲からない病院の先生と、そんな彼が好きで放っておけない女の子。
二人と妖怪たちが引き起こす小さな騒動を描いた、連作短編作品です。
主人公たちのやり取りがかわいらしく、ほんのりと胸が温かくなります。
読んだ人の心を癒やしてくれる、とても素敵な作品です。
(最新の第七夜まで読みました)

★★★ Excellent!!!

一気に全部読んでほっこりして、最後には構成力の高さに驚きました。
登場人物がみんな個性的で味があり、そこにモノノ怪が混ざってさらに深みの増すお話になっています。

優しいけれど、どこか黒い先生。
しっかりしていて謎のあるクロコなど、それぞれの掛け合い、仲のよさもいい感じです。
それぞれが生きてどこかで繋がっている。という優しく暖かい空気に包まれています。

個人的には尻茶碗のお話がじんわりほっこりできて好き。
続きを待ちながら、ゆったりと楽しみたいおすすめ作品です。

★★★ Excellent!!!

こどもの頃「つづく」の画面で、また来週だぁ。
だいすきな番組のつづきを早く見たい!と待っていた。
魅力的な主人公がいて、その周りにだいすきなキャラがいて。
そんな頃を彷彿とさせるこの作品。
*お正月の「賽の目」まで読了。

はまってしまって、虜になってしまうパターンだ!
決して聖人君子じゃないけど やさしい山吹先生。
世話焼きでキュートな きつねのクロコちゃん。
お茶しに来る 近所の4人の小学生たち。
そして、愉快なモノノ怪たち。

モノノ怪だから、夏目友人帳のことを連想する人も多いね。
うん、私が大ファンでついついグッズを買ってしまう
だいすきなニャンコ先生のように
ここの子たちも、ぜひキャラグッズになってほしいなぁ。
(特に赤い腹かけにフェルト小判のアップリケの猫ニャン。)

「カクヨムクリニック」も おすすめです。
クリニックの制作秘話みたいで、めっちゃ楽しい。
これからも「つづき」を 待っています!

★★★ Excellent!!!

最新話(第6夜)まで拝読しました。
いやーこりゃいいもん読ませてもらいました(笑)。

ざっくりカテゴライズすると、現代ファンタジーの中でも「日常系あやかし物」に分類される作品でしょうか。

文体は、Web小説としては改行が少なく、1ページ毎の文字数も多めですが、いざ読んでみれば不思議なほどスイスイと内容が頭に入って来ると思います。
また、全体の構成が連作短編に近い形式を取っているのも特徴的ですね。

それで、この作品の見所なのですが――
一言で表現すると、「空気感」ということになるでしょうか。
凄く抽象的な言い方になってしまうのがもどかしいのですが。

個々の魅力を取り上げると、登場キャラクターの性格付け、会話の雰囲気、穏やかな世界観、一話読み終える毎に何となく「ああ、いい話だったな」と素直に思える素朴な温かみ、などなど……
そういった要素が非常に高い水準で安定していて、総合力で勝負しているタイプの作品なのです。

読むと楽しく、ほんわかとして、なのにときどきちょっぴり胸に迫ってくる。
そういう優しいお話が好きな方は、是非ご一読を!

★★★ Excellent!!!

いつも支払いで喘いでいる医者。その先生は普通の先生ではなく妖怪のお医者さんだった。
彼らが紡ぐ、ほっこりする日常憚――

わらしべ長者のように入手したもので話が繋がり、解決に至る。
その構成は見事です!
また先生のキャラが聖人ではないのも面白いです。妖怪に対しては聖人なのですが、子どもたちへの内心の辛辣さは愉快です

この作者様の作品は文字数が多くてもかなり読みやすく、一気に読んでしまう魔力を秘めていましたが、本作も例に漏れませんでした!

文字数で敬遠されている方、もったいないので是非とも一話だけでも読んでみてください。

ハマりますよ